J坊との会話の続きです。





「ねえねえ、なみだうさぎちゃんっていうのやめて、
ニックネーム決めよう。」
「えー、ニックネーム?」
「うさちゃんって呼んでいい?」
「いいよ。」←酔ってる。
「うさちゃん。」
「はあい。」←酔ってる。
「おれのこともさあ、なんか呼んでよ。」
「なんだろ、J君?」
「J坊って呼んでくれる?誰も呼んでくれないんだ。」
「いいよ。」←酔ってるから二つ返事。
「おれ、そう呼ばれるの夢だったんだー。」
「へー。呼んであげるよ。J坊。」
「うわ、超うれしい。」
「ふふふ♪J坊。J坊。」

みたいな、まあ飲み会によくある会話をしていました。

宴もたけなわになったころ、
友達との会話も一息ついて、
うちわでパタパタしながら一人で座っていた私に
例の「J坊」が話しかけてきました。

「ねえ、ここ暑いよね。」
「うん、超暑いよね。クーラーないもんね。」
J坊にもパタパタしてあげる私。
「外で風にあたらない?」
「うん。でも、外に行くって皆に言わなきゃ。」
「先行ってて。おれ、皆に言っていくから。」
「ありがとう。」

立ち上がると、アルコールが回っていたのですが、
ちょっとフラッとはしたものの、まだ意識ははっきりしていました。

ドアを開け、廊下を右に進み、
付き当たりの吹き抜けに寄りかかりながら外の景色を眺めました。
東京の街灯りがいつもよりも少なく感じました。





～つづく～