幕末には色々な方が活躍されました。また、女性の活躍は目立たないことが多くても中には大変なものがあります。

大浦慶は日本茶の輸出によって大成功した女性です。
長崎の商家に生まれたので、もともと商いに縁はあったものの火災にあったり、家業の油問屋が振るわなくなったりで、そうとう苦労されたみたいです。

それでも、商魂たくましい慶は、茶は重要な高額商品であり、外国人商人は喜んで日本緑茶を買い求めているという情報を入手すると、日本茶の貿易が大きく発展すると考えました。そして、高級な日本茶の見本をイギリス・アメリカ・アラビアへ送りました。そして、その３年後に予想は見事に的中し、英国商人Ｗ・Ｊ・オールトから莫大な注文を受けるようになりました。そして、勢いに乗った日本茶の輸出は、生産が間に合わないくらいになったといわれています。また、大成功した慶は一躍有名人となり、坂本竜馬・大隈重信・松方正義・陸奥宗光らの志士と交流があったと言われています。

しかし、日本茶の輸出は静岡産のものを横浜から輸出するルートに変わり始め、慶は新しい商取引を模索し始めます。そんな折、熊本藩士遠山一也から煙草の取引の話しを持ち掛けられ保証人となるのですが、これは慶を欺くための策略で、多額の賠償金を抱えることになり不運の最期を遂げました。後に、これは遠山事件と呼ばれています。