☆氷の謎
☆氷の謎
冬の寒い日に水道管が破裂することはよくお聞きになると思いますが、ちょっと考えたら不思議な話しですよね。普通、液体が固体になると体積が減るのですが、水は氷になると10%も体積が増えます。
この現象は昔から知られてはいたのですが、長い間原因が不明のままでした。ところが、分子の構造を解明していくうちにその機序が分かってきました。
まず、水が有極性分子であることが原因の一つとしてあげられます。有極性分子、つまり分子の中で電荷の偏りができるのですが、水の場合は、酸素の方が少し負の電荷を帯び、逆に水素の方は正の電荷を帯びます。水はこのような状態の分子が集合したものなので、分子どうしの間に正と負の電荷による電気的なカが働きます。ただし、電荷の偏りは非常に小さなものですから、分子間に働く力も小さなものになります。また、水素原子同士が結びつく(水素結合といいます)ことで水分子が結びつきます。ただし、水(液体)の状態では、分子がかなり自由に運動しているのですが、その結びつきは弱いものです。
しかし、温度が下がって水分子の運動がだんだん不活発になってくると、この水素結合の力も有効に働くようになります。つまり、氷(固体)の状態では、分子の自由な運動が極端に制限されるので、分子間に働くカはこの水素結合が支配するようになります。そして、氷はこの反応のため隙間の多い構造をとって安定します。つまり、この隙間の分だけ液体の状態より体積が増えることになります。
※参考
水はこのような機序で個体になった場合の体積が増えるのですが、4℃付近でその体積は最小になります。つまり、密度は最大になります。また、比重を調べるときの標準となるのはこの4℃の水です。
パドメ
2011/12/22 18:06:14
4°Cで氷になった場合、、。
ルイ
2011/12/22 08:05:13
4℃ですね。メモメモ・・・