お着替えちょっとと荻原規子『RDG』
2010年の最後の振袖、「春芙蓉」黒でございます。
ついに揃えてしまいましたよ、4種13枚。
ぼろくそに言っていた「春芙蓉」ですが、なんか見慣れてきたかもしれないw
ポイントはなるべく袖を隠すことですが。
黒猫だと保護色になりすぎるので迷子にゃんこ妹。
迷子にゃんこは兄妹ともにかわいい♪
『RDG(レッド・データ・ガール)』(角川書店・銀のさじ・既刊5冊)
数少ない「ハードカバーで新作を買ってもいい作家」のひとりが荻原規子。
しかし、1巻があまりにもあまりにもプロローグすぎて、
この調子にハードカバーで全部つきあうのは無理、と続巻が出てもスルー。
しかしふらりと立ち寄った本屋で2巻が文庫に落ちていたので購入。
そのまま本屋のあるビルの地階カフェでお茶しながら開いて……
そうしたら気がついたら読み終わっていて。
そのまま本屋に戻って既刊の3・4・5巻をハードカバーで買って帰りましたとさ。
そのうち2巻も買いなおそう、ハードカバーで。
2巻から物語が動き出した、というのがその動機。
ベースには「姫神」と呼ばれる超常的存在をその身に降ろせる少女と
それを取り巻く山伏・忍者・陰陽師らの暗躍があるのだけれど、
その表面に当たり前のように学校生活があって、
不器用な少年少女の恋愛が絡んで……。
荻原規子の作品はそのほとんどが児童文学に属するため、
描写される恋愛は初恋ものが中心になる。そりゃもう不可欠ってくらい。
個人的に『西の善き魔女』ではヒロインのフィリエルに
「本当にルーンでいいのか!?」と思わないでもなかったのだけど、
この物語のヒロイン泉水子(いずみこ)とヒーロー深行(みゆき)に関しては
最初から意識しまくりだったからかなり納得できる。
別に恋愛の成就だけが主点であるとは言わないが、
思春期だからどうしたって無視できないわけで。
本人の主観的に世界の崩壊より大事だったりw
泉水子と『西の善き魔女』のフィリエルとは、
世間から切り離された場所で
ごく少数の人にその素性を知らされぬまま育てられるという共通点を持つ。
その恋愛対象が幼馴染の少年というのも共通点であるが
ここに差をつけるのがヒロインの造形。
「外」へと向かうフィリエルと「内」に向かう泉水子。
どちらも幼い印象は変わらないんだけどねえ。
学園生活というとどうしても同作者の『樹上のゆりかご』ははずせません。
前作にあたる『それは王国の鍵』を考えるとファンタジーだけれど、
ヒロインひろみの高校生活をベースにした学園もの。
(余談:これは読むと必ず恩田陸の『六番目の小夜子』を思い出す。
いや甲乙つけがたくどちらにも良さがあって大好きなんだけど)
ひろみの方が泉水子より大人に見える。
ひろみは自分が「女」であることをまだ受け入れられていないのに
周囲にそう見られることに齟齬を感じている。
そんな微妙な年頃の群像劇の様相もある話だけれど
でもって、かつてなくヒーローの登場が遅かった話w物語中盤以降っておい……。
前作のハールーンがいつ出てくるのかと期待してたとも!
いなかったけどね!
……いや、夏郎は荻原ヒーローの中ではピカイチな気もしないでもないが。
そういえば夏郎と『RDG』の主要キャラのひとり真夏は名前のせいもあるけれど
似たイメージがあるなあ。
とかとか考えていると、執行部やらイベントやら作品舞台にも共通点は多いし、
『樹上のゆりかご』も『西の善き魔女』同様『RDG』のベースになっているのかも。
しかし5巻の『学園の一番長い日』はいよいよ物語も大詰めという感じで盛りだくさん。
だけど一番笑わせてくれたのは、高柳、君だwww
むかつくキャラなのに、あれでもう嫌いになれないというかwww
さて今年中くらいに完結するのかね?この話?
でも次からはせめて新書からはじめて欲しいと心底思います。
やはりハードカバーは辛い。3冊抱えてレジに行ったのが悪かったのかもだけど。