さて、狛たちの観察も終わり、社務所で由緒書きを購入して、神社を去ることにしよう。

大豊神社の参道は哲学の道と交差する。そのため、散策のご婦人方やカップルが見える。

一ノ鳥居を抜けた所で、日陰で休憩。日が射してきたので、日焼け止めを塗り塗り。これから徒歩で真如堂（真正極楽寺）に向かう。

鹿ヶ谷通りを上がり、錦林車庫（市営バス営業所）をめざす。以前はこの東天王町あたりに知りあいが住んでおり、何度か泊めてもらった。そこで在る時、不思議な夢を見た。

私は、晴明さんが葬られた所に氷を撒かなければならない。「うまく撒いたか？」「この通り」「そこじゃない、場所が違う…」晴明さんが葬られた本当の場所には、黒い霧のようなものに包まれた晴明さんが刀を構えて立っているという…身に纏っているのは明らかに邪悪なる殺気…こちらをギラリと睨む。

ここで目が覚めた。悪夢だった。
京都に入った初日、晴明神社に行かなかったので、晴明さんが怒っているのか、と早速参詣に行った。

そんなことを思い出しながら、歩いた。

真如堂に以前行ったのは、随分昔である。
さて、こちらだったか、と見当をつけて歩いていると、左手に日吉神社があった。入り口の看板を見ると真如堂の守護社とある。真如堂は天台宗の管轄であったか。なるほど、妖しいはずだと得心した。
境内に入ると、何か修繕工事をしていて、特に山王鳥居があるというわけでもなく、縁があればまた来ますと、一瞥で帰ることにした。今日はこの先、予定が詰まっているので、先を急がねば。

真如堂については、また、次回。