☆宿替え
この落語は東京では「粗忽の釘」と言い、上方では定番中の定番でもっとも聞く機会の多い落語でしょう。
【スジ】
引っ越しの当日、かみさんは新しい長屋に早くに着いていた。しかし、粗忽者の亭主は重い荷物を背負って家を出たのだが、なかなか新しい長屋に来ない。かみさんの片付けもほとんど終わったところへ亭主が大汗をかきながらやっと到着する。
かみさんに「ほうきを横にしておくともめ事が絶えないからほうきをかけるのに釘を一本打って」と頼まれた。ぶつぶつ言いながら亭主は釘を打つが、六寸もある瓦釘を使ったので壁を突き抜けて隣に出てしまった。
かみさんから「お隣に釘の先が出てて、着物を破いたりケガをしたりするといけないから行ってあやまっておいで」と言われたのであるが、亭主はなんと向かいの家に行く。当たり前であるが、当然事情が通じない。やっとあやまる家が違うことを気付き、改めて釘を打ち込んだ隣に行く。
粗忽者の亭主であるが、慌てるから失敗するのだと考え落ち着こうとして、
「お宅とおかみさんとは見合いかどうか」とか「仲人はどうしたか」とか全く関係のない話しを始めてしまい、なかなか用件を言い出さない。それでも、やっと釘のことを思い出し、釘を打った壁を見てもらうと、仏壇の阿弥陀様の頭の上に釘の先が出ている。
「おや?お宅ではここにほうきを掛けますか?」
パドメ
2012/02/23 16:47:33
仏壇に、ほうきを掛けてはね、、。