☆DNAの人工増幅
1986年にアメリカのシータス社のケアリー・マリス博士によりポリメラーゼ連鎖反応(PCR法)が開発されました。これは画期的なもので、特定のDNA領域を短時間で10万倍以上に増幅するというものです。
その方法というのは次のようなものです。
①DNAを95度に加熱する。
②加熱によりDNAの塩基同士の結合が切れ1本鎖のDNAになる。
③温度を60度にまで下げる。
④増幅したいDNAの部位に結合する「プライマー(目的とするDNA領域の両末端の二〇塩基ほどと同じ塩基配列をもつ一本鎖DNA分子の一組)」を付着させる。
⑤DNAポリメラーゼ(DNA合成酵素)を加えるとプライマーが結合した部分を起点としてそれぞれの鎖を合成していく。
⑥DNAは倍量になる。
このサイクルは1分少々で完了するので、短時間のうちに何度も繰り返すことが可能です。つまり、必要なだけDNAを増幅することができます。
また、この方法の登場で少量の血液や大昔の骨に含まれる極微量のDNAを増幅することが可能になり、DNA鑑定やDNA考古学などの新しい分野が出来上がることになりました。
そして、この方法の開発により博士はノーベル化学賞を受賞しています。
タチコマ
2012/03/01 19:13:41
科学が発展するのはええと思うんやけどなぁ。。。
科学者の暴走が無いようにしたいですな。
パドメ
2012/03/01 18:22:57
この領域に、人間の手が入って大丈夫なのか?と思うのは、私だけでしょうか。