青コンプ記念妄想小説
今月の復旧工事の現場は中学校だ。
先月は瓦が崩れた屋根の養生だった。
去年まで漁船に乗ってたんだが船も家も流された。
ロクな資格も持ってない俺は元請の会社から言われるままに
現場から現場へ渡り歩く毎日。
先月から圭輔って奴と二人で回る事が多くなった。
若いくせに俺と違って沢山の資格を持ってる。
玉掛、足場、溶接にフォークリフトも持ってるらしい。
「慎也さ~ん、そこちゃんとボルトぶっとかないとヤバイっすよ~。
あ、俺やっときますから~」
年下から受ける駄目出しはやっぱり気分が悪い。
俺も何か資格でも取ろうかな・・・。
圭輔にどれから取るのが良いのか聞きたいが、
変なプライドが邪魔して聞けない。
昼休み、中学校のグラウンドに軟式野球のボールが転がっていた。
何の気無しに壁に向かって投げていると圭輔がやってきた。
「あ、慎也さん野球やるんすか?」
「ああ。高校でちょっとな」
応えながらボールを圭輔に投げてやる。
ちっ、下手糞。緩く放ったのに取り損ねてやんの。
「いいっすね・・・俺中学ん時からオヤジの手伝いっすよ。部活とか憧れッす」
十五やそこらからこんなキツい現場出てんのか・・・。
その日から俺と圭輔は昼休みにキャッチボールをするようになった。
ボールを放る度に少しずつ、お互いの事を話すようになっていた。
圭輔の父親も同じ仕事をしていた事、今は体を壊してパチンコばかりしている事・・・。
「仕事できないんなら寝てりゃいいのにね、目が銀玉ばっかり追っかけてんの。
どうしようもないオヤジっすよ」
居たら居たで大変なんだなあ。俺んとこなんて船見に行ってそのまま・・・。
言いかけて、止めた。
次の日、圭輔は現場に来なかった。風邪に罹ったと元請から聞いた。
「あいつ、どうしてっかなあ・・・」
どうしてるも何も、部屋で寝てるに決まってるのだがつい、考えてしまう。
糞っ。あんまり仲良くもなるもんじゃないな。
この間まで一人で飯を食っていても何も感じなかったのに。
圭輔が休んでから四日目。
足場の資格でも取ろうかと会社に相談に行った。あいつが薦めてくれたから。
事務所の駐車場に車を停めた時、いつもと様子が違うのを感じた。
数ヶ月前に一緒の現場で見た事のある先輩達が硬い表情で出入りしていた。
俺は誰か偉い人でも視察に来るのかと、のんびり車を降りた。 (続く)
ゆさ
2012/03/28 21:52:53
ヱルさん
創作って楽しいものですね。モチーフになる実際の出来事は色々あって
それを繋ぎ合わせて妄想で膨らましました。
ヱル
2012/03/27 14:38:46
筆が進むままにって良いことです^^
だいたいあとで書き変わる部分も出てくるもんなんですが、骨組ができていれば
肉付けで膨らんだり、削ってスリムにしたりと、その場の情景の印象も強くなりますね^^
私も書きたいものや、描きたいものが頭の中に、いっぱい。。
今の仕事だと、いつできるんだかww
ゆさ
2012/03/24 14:51:25
青コンプはももっちのおかげなのでちょっとしたお礼代わりデスw
ももっち@
2012/03/23 03:08:10
ヒャホー。
サワヤカに発酵しかけてるのかしら????(ワクワク
ゆさ
2012/03/23 00:08:35
けろさん
や、青ガチャなんも関係ないんです実はww
当初はこんなに長くなるつもりじゃなかったし。
筆が進むままに書いてたら制限字数ギリギリになって続き物になった感じです。
一応続きは考えてますが、自分でも着地点が見えてませんwwwww
けろ
2012/03/22 23:18:11
青コンプ記念と言うから青ガチャのテーマがかかっているのかな。
なんて先読みはダメか(^^;
いい文章を書くね。情景が浮かぶようだよ。
ただ、一つ前のブログの絵が野球つながりで読みながらちらちら浮かんでしまった。
だからちょっと偏って読んでしまったかも。
さて続きはどうなるのかな?いつアップされるのかな?