うみきょんの どこにもあってここにいない

うみきょん

日々のはざまについて、
地上でみた夢の記憶、
地中で見られた眠りのすきま、
絵画や小説、想像世界、花たちなどについて
静かに渡りを記述しています。

シネマ歌舞伎『海神別荘』

映画

シネマ歌舞伎『海神別荘』。
海の公子と美女が血で契ると磯に竜胆と撫子が咲いた。
公子「人間にそれが分るか」。
博士「心ないものには知れますまい。
詩人、画家が、しかし認めますでございましょう」
そして海の住人の心の美しさ。
美しく、正しい世界と、対になって、間違えた、美しくない世界が
描かれていると主演の坂東玉三郎がいっていた。
美女は美しくないところ、心から、文字どおり、美女となって、
公子の住む世界にはいったのだ。

公子の市川海老蔵の、少年のような、夢みがちな、
けれども雄々しさをかねそなえた気高さ。
美女の玉三郎の、この世のものとは思えない立ち姿。