うさぎ→♡♡♡♡♡♥←かめ　くらいで。
ニコタに似つかわしくなくでぃ～ぷな展開もあるので、ご注意くださいｗｗ



「んが…？」
すっかり寝入っていたうさぎですが、さすがに引きずられては寝ていられません。
（なんだ、こりゃ？）
背中の下では地面がずりずり動き、景色はじわじわと頭上へ去っていきます。
辺りを見回したうさぎの目に、自分の足を抱えるカメの背中が見えました。
「何やってんの、お前？」
うさぎがそう声を掛けると、息を切らせ顔を真っ赤にしたカメが振り返ってにっこり笑いました。
「うさぎさん、起きたんですか」
そう言って、うさぎの足をそっと降ろしました。
「ああ、起きたけどさ…」うさぎは立ちあがりながら続けます。
「なんでおれ引きずってんの？」
「すみません、最初おんぶしようと思ったんですけど持ちあがらなくて…背中痛かったですか？」
「いや、そーじゃなくてさ。置いて行こうって選択はなかったの？　寝てて追い越されても、それは自業自得ってヤツじゃん」
うさぎの質問にこくんと首を傾げ
「う～ん…なんとなくうさぎさんを置き去りにはしたくなかったんです。なんか裏切るみたいですし」
そう言うカメを、うさぎはいきなり横抱きに抱きあげました。
「ななな、なにするんですかうさぎさん」
「暴れるなよ。落とすぞ？」
そう言われ、あわててうさぎにしがみつくカメ。
「だって…」
「お前がおれを引きずってくれた分、おれもお返ししないとな」
そう言うと、うさぎは全速力で走りだしました。

「すごい、はやいでふっ…」
あまりの早さに、感嘆の声を上げようとして舌を噛むカメ。
それを見てうさぎが止まったのは、まさしくゴール直前。
「舌噛んだのか。ちょっとみせてみ？」
腕から降ろし、自分をのぞき込むうさぎのその言葉に、素直に口を開けて舌を出して見せるカメ。
「大丈夫みたいだけど、一応消毒しとくか」
言うが早いか、うさぎはカメを抱きしめるとその舌をべろんと舐め、そのままカメに口づけます。
びっくりしたカメの抵抗をものともしないうさぎに、その時ゴール地点から声が掛けられました。
「あのさ、なんでもいいから早くゴールしてくんね？」
呆れたようなその声にうさぎが顔を上げると、ゴール地点にはイタチが…。
「なんでそんなとこにいるんだ？」
腕の中で顔を真っ赤にして暴れるカメを抱きしめたまま、うさぎが問いかけると、
「何言ってんだよ。お前が見届け人としてここにいてくれっつったんだろーが！　さっさとゴールしろよ」
仕方なくカメを抱き上げ、ゴール地点へほいっと置くうさぎ。
「はいはい、カメの勝ちね。ったく、やってらんねーってば」
イタチはぶつぶつ言いながら、山へ帰って行きました。

「うさぎさん、人前で何するんですか」
真っ赤になってうらめしそうにうさぎを見上げるカメ。
「いや、人じゃなくてイタチだし」
「そう言う問題じゃないです」
「わかったわかった。わかったから帰ってしよ？」
「何をですか？」
「交尾　うさぎとカメのあいのこってなんだろね～♪」
「うさぎさん、俺おとこです～」
うさぎによってカメが連れ去られた後のゴール地点に、その声だけが空しく響いていたのでした。

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