YUKIEのきまぐれ日和

YUKIE

 気まぐれに、その日の出来事や、感じたこととかを書いていくつもりです。
 あと、別のブログで公開していた小説もUPしています。よかったら読んでください。

レインドロップ~後編~

自作小説

 しずくがすぐさまレインの前に出ると
(バシャッ!)
「きゃっ!」
「しずくっ!」
「ゲホッゲホッゲホッ!」
 しずくは泥水をひかぶってしまった。口の中にも入ってしまい、思い切り咳き込んだ。

「このガキッ!さっきの人間だな!また邪魔しやがって!」
「お前はさっきの!」
 泥水を放ったのは、どうやらさっき川でしずくを襲った精霊のようだ。
「くそっ!泥水は精霊には重症になるが、人間にはほとんど害がねえのか。ならばこの攻撃でっ!」
「させるかー!」
 すぐさまレインが水鉄砲を放った。手から太い水の管が勢いよく飛び出すような光景だ。
「ぎゃ~~~!」
 水鉄砲は精霊に直撃し、その精霊のつけていた茶色いレインドロップが粉々に砕け、精霊はその場に倒れた。
「これで、こいつはしばらく力が使えなくなった。後で牢屋にぶちこまねえとだな。」
 レインは、手から細い水を出した。それは精霊の体をグルグル巻きにした。水のロープである。
 
「ふ~っ。おっと、ありがとうなしずく、助けてくれて。あの攻撃は俺にとっては本当に危なかったんだ。」
「あ、い、いえ・・・。」
 お礼を言われて妙に照れくさくなった。顔が熱くなるのを感じた。
「そうだ、お礼に。」
 そう言うと、レインはさっきの湖からレインドロップを取り出した。その瞬間に、透明だったレインドロップがレインの物と同じ色になった。それにチェーンをつけ、しずくの首にかけた。
「似合うじゃん。アクセサリーとして使っていいぞ。」
「え?い、いいんですか?」
「ああ。ま、雨が降ったら、俺のこと思い出してくれよ。」
 と、レインは微笑みまた握手してきた。(ドクンッ)さっきよりいっそう強く、心臓がなるのを感じた。
「じゃあな、元気でな、しずく。」
 次の瞬間、あたりが真っ暗になった。

 気がつくと、さっきの川沿いにいた。さっきレインが止めたはずの雨がまた降っていた。
 さっき泥水をかぶったはずなのに、体は濡れていないし、服も汚れていなかった。
「夢・・・だったのかなぁ・・・。」
 だがよく見ると、さっきのレインドロップを首に下げていた。レインのことを思い出し、なんだかくすぐったいような気持ちになった。


 あれから7年。その後、レインと会うことはなかった。だが、レインのことは忘れていない。レインドロップは、今でも大切に身につけている。
 時々、友人にペンダントのことを聞かれる。
「ねえ、その綺麗なペンダント、何?」
 しずくは決まってこう答えるのだった。
「私の初恋の人からのプレゼントだよ。」

  • YUKIE

    YUKIE

    2009/06/16 22:39:20

    marumokoさん:感想ありがとうございます(^^)レインドロップの色は確かに人によって違う色になるでしょうね~。私だったらオレンジ系統かもしれないですね~。

  • marumoko

    marumoko

    2009/06/16 01:20:42

    きゃ~~~(><)
    私も、しずくが「ドクンッ」としたとき・・・どきっとしちゃったぁ~~~^^
    いいなぁ~
    初恋だぁ~
    綺麗なペンダントヘッドになっているレインドロップの色は
    読者、十人十色ですね。
    私は、レインボウカラーきらきら(別名 玉虫色?)だと思いました。