うみきょんの どこにもあってここにいない

うみきょん

日々のはざまについて、
地上でみた夢の記憶、
地中で見られた眠りのすきま、
絵画や小説、想像世界、花たちなどについて
静かに渡りを記述しています。

カルガモが便りを運ぶだろうか?

日記

 カルガモが飛ぶのを見ると未だに軽い驚きがある。
 水面に浮かぶ姿になじんでいるから。
 同様に浅瀬や畔道を歩く姿を見ても少し違和感がある。
 今朝も三羽ほどかる鴨が飛んでいるのを見た。
 けれど驚きの向こうで雁を思う自分もいた。
 初雁、雁風呂、雁信…雁はガンの事だが、鴨も含んだ総称でもあったとか。
 雁信…雁が手紙を運ぶという中国の故事から来た言葉だが、投瓶通信のような響きがあって、なにか惹かれる。
 雁が飛んでいるような、そしてどこかに渡ることで、何かをはこぶような…
 カルガモが飛んでいると、おもわずそんなことを思ってしまうのだった。