※下記SSは、うちのニコペットを主役にし、ニコッとタウンを舞台としたお話です。
※基本的に、軽いノリのお話なので、感動するものは何もありませんが、箸休めにどうぞ。





ニコッと群島の片隅にある、
　一見何の変哲もない島に、
　　何もないという偽装を施して、
　　　「それ」はあった。

第１話　忍猫養成所「猫の穴」

雪国生まれの第６期生「氷冴（ひさえ）」は、
同じく雪国生まれの第７期生「冷香（れいか）」の姉にゃんこである。
この二人の姉は猫の穴の卒業生で、姉妹揃って白にゃんこだった。
外見的にはまったく見分けのつかない姉妹であるが、
性格のほうはと言えば、結構バラエティーに富んでいたりする。

氷冴「あらま～、冷香ちゃんって、キノコが好きなのね～。
　　　キノコが主食だなんて、そのうち、ヒゲ親父になってしまわないかしら～？」
冷香「誰が毬男ですか、姉上（ジト目）」
氷冴「冷香ちゃんは育ち盛りなんだから、ちゃんと栄養のあるものを食べなきゃ～。
　　　梅ごはんとか、栗ごはんとか、麦ごはんとか、ワカメごはんとか、ゴマごはんとか～」
冷香「全部ごはんじゃないですか（嘆息）
　　　そもそもアタシのきのこ食は、忍猫修行の一環なんです。
　　　穀断ちという身体を浄化する修行法ですが」
氷冴「そうなんだ～。
　　　卒業生もわたしも、誰もそんな修行なんてなかったのに、不思議ね～」
冷香「何やら教官が、ニコット神社のヨハンテリ様から教わった秘伝の修行法だとか・・・」
氷冴「あ～、教官と言えば冷香ちゃんが入所してくる前から、キノコの処分法に頭を悩ませてたっけ～？
　　　リサイクル業者が引き取ってくれないかって、ぼやいてたわよ～」
冷香「姉上、その話、マジでございますか（半眼）」
氷冴「大マジです～」
冷香「ちょっと素振りがしたくなりました、大姉上謹製の釘バットはどこにしまってあるのでしょうか？
　　　あと、教官の居場所を教えていただけると、大変助かりますが（真顔）」
氷冴「あらら～、冷香ちゃんってば、粗食だから怒りっぽくなってるのね～。
　　　そんなひもじい思いをしている妹に、優しいお姉ちゃんからの差し入れのゴマごはん～」
冷香「これは姉上の、世にも奇妙な修行に必須のものでは？（困惑）」
氷冴「いいのいいの～。
　　　そろそろわたし、根性が限界突破しそうだから、根性がつくごはんは控えてるの～。
　　　ほら、根性がつく木の枝を拾ってきたら、そっちを使ってみたいし～。
　　　だから、はい、冷香ちゃんに～」
冷香「姉上・・・（感涙）
　　　そういうことでしたら、この赤いテニスボールは姉上がお使いください。
　　　アタシはもう、体力が限界突破しているんで、用済みの余り物ですから（照れ）」
氷冴「あらま～、お姉ちゃん感激のあまり尻尾を振ってしまいそうよ～。
　　　教官に見つかるとお互いうるさいことになりそうだから、こっそりと使いましょうね～」
冷香「ではアタシは、屋根裏部屋でこっそりといただいて参ります（忍び足）」
氷冴「それじゃ～、わたしは植物園のドラゴンさんの陰でこっそり～」

二手に分かれた白にゃんこ姉妹、
姉にゃんこは赤いテニスボールをお手玉して、一言。
「ごはんとテニスボールの物々交換、お得なレートだわ～。にゃはは～」

１日の食事量、実に８食・・・！！
食事の栄養が頭と体の両方に回っている白にゃんこ姉妹の次女は、
結構狡猾だったりする・・・。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・つづく？

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