小人閑居

Tucker

小人閑居して為した不善の記録。

大人の日本昔話

日記

新釈 遠野物語
 井上ひさし
   新潮文庫


「遠野物語」は柳田国男が佐々木鏡石から聞いた
遠野地方にまつわる民話・伝説を集めたもの。
本書は、その「遠野物語」にインスパイアされた物語。

「犬伏」という名の老人から聞いた物語を「ぼく」が
書きとめた、という設定。

「遠野物語」は語る側も聞く側も誠実な人物だったが、
「新釈遠野物語」では
語る側は、いんちき臭く
聞く側は誇張癖がある
という事になっている。

犬伏老人が語る物語は、山の民、動物、妖怪、人間が
対等な立場で関わりあう。
全て犬伏老人が関わった話ばかりで、なぜ、こんなに
怪異に関わるのか、とツッコミを入れたくなるほどだが、
それは最後の物語で全て分かる趣向になっている。

怪異の物語ではあるが、どこか懐かしい感じもする。

夏祭りの夜、人通りの少ない裏通りに入ってしまったような、
すぐ近くに「普通」の世界があるにも関わらず、少しだけ
異なる「異世界」に踏み込んでしまったような、
「大人向け日本昔話」
と言ってしまってもいいかもしれない。


#日記広場:日記

  • Tucker

    Tucker

    2012/06/10 11:39:35

    いんちき臭い老人の語る話ですから・・・。

    遠野は行った事はありませんが、HPをさっと見ただけでも、小奇麗な感じがしますね。
    (↑失礼な言い方)
    話が代わりますが、「妖怪」って、昔の人のモノの考え方とかがチラチラ見えたりするので、割りと好きです。

  • カトリーヌ

    カトリーヌ

    2012/06/10 10:27:55

    「新釈 遠野物語」、なぜ1人の人間がこんなにも多くの怪異に・・。
    何か、西尾維新の「化物語」のような感じね。

    実はワタクシ、8年前、遠野に行った事があります。
    最初は、「日本昔ばなし」に出て来るような、
    ひなびた田舎をイメージしていたけど、現実は全く違ってました。
    遠野市の市立博物館での展示を見て、意外な事実に更にびっくり、でした。