うみきょんの どこにもあってここにいない

うみきょん

日々のはざまについて、
地上でみた夢の記憶、
地中で見られた眠りのすきま、
絵画や小説、想像世界、花たちなどについて
静かに渡りを記述しています。

おとぎの森

日記

仕事で歩く。
このあたりの崖線沿いには林や湧水も残っているが、
お屋敷的な家もかなり建つ。
庭に保存林の大木がある家が何軒か。
庭から湧水の流れる家も。
突如花壇のある小さな森が。
個人の土地を市民緑地として開放しているという。
現実からいきなり物語世界へ足を踏み入れたよう。
蛍袋、モネの絵で知ったアガパンサス、ギボウシ、半化生、
ブラックベリー。その花たちが、和洋とりどりなのも幻想だった。
ほんの少し、ベンチに座り、あたりを眺める。
幻想がのどをとおる水のようにわたしに入った。
又仕事(現実)に戻る。