異和がおおむねやさしい
突然訪れるものの異和感。
たとえば石の隙間から茎をうねらせ、のけぞるように咲くアザミ。
勝手に春の鳥だと思っていたウグイスの完全な鳴き声が
夏の暑さのなかで警笛のように響くとき
(彼らは春はまだ少し鳴き声 が不慣れな感じがする)、
殆ど通らない道を通って知った、
いつもの田んぼ湿地や林のある公園の後ろ姿
(何故か植木屋さんの庭を連想した。沢山の植木のような
木がこんもりしているように見えたのだ)。
異和から生じる異界との接点たち。
けれども、それはどこにでもあるものたちなのだ。
衣裳ケースで飼われている、近所の玄関口の亀吉くんたち。
暑さよけなのだろうか、ヨシズがかぶせてあった。