うみきょんの どこにもあってここにいない

うみきょん

日々のはざまについて、
地上でみた夢の記憶、
地中で見られた眠りのすきま、
絵画や小説、想像世界、花たちなどについて
静かに渡りを記述しています。

そのとき世界は正午だった。

日記

じりじりと日射し。
〈その時世界は正午だった〉は誰の言葉だったのだろう?
昔、男が夢見るように呟いていた、その大本は?
あるいは男そのものの言葉だったのか。
正午に日差しを浴びると、
ふっと思い出すのだった。

町を歩いた。
乾いた畑に茄子の花。
ミヤマアゲハ、モンキチョウ、モンシロチョウ、アゲハ。
こんなに蝶がいたのかと思う。
正午の浮遊するたましいたち。
殆ど終わりかけて褪せた紫陽花。

少しだけ身体が慣れてきた。