☆豆屋
素人が商売を始めると、何かと問題が起こるものです。昔から、落語の世界ではこのようなネタが多くあり、その失敗する話を滑稽を表現していますが、こういうところがあるからこそ庶民の芸術として続いてきたのでしょうね。
【スジ】
気の弱い男が豆売りを始めた。ある長屋の路地へやって来ると、売り声を聞きつけた男が豆屋を呼び止めるのであるが、その家の男は豆屋を格子の中へ入れ戸を閉めさせる。また、強面な男は手には薪を持っていて脅かされる。そして、1升20銭の豆をなんと2銭にまけろと言われ、山盛り計らされた上2銭で売らされる。
今度は、その向かいの家で先ほどよりいっそう恐そうな顔の男の人に呼び込まれる。しかし、豆屋は頭をひねって、最初から1升2銭だという。
作戦は見事にあたり、「もっと高くしろ」と言われて、50銭にさせられる。
「マスの中の豆、少ぉし出してみ」
「え?」
「豆を出してみ、っちゅうねん」
「さよか? ほな、ちょっとつまんで」
「両手でゴボッとすくわんかい」
「両手でゴボッとですか?」
「マスを持ってコロッとひっくり返せ」
「えぇ?」
「マスを持って、クルッとひっくり返せっちゅうてるねん」
「マスを持って、ひっくり…… 返したら、豆がおまへんで」
「無ぉてえぇんじゃ、こっちゃ買えへんわい」
※この落語は、豆屋と強面の男との掛け合いが面白さを倍増しています。
うらっち
2012/07/14 22:32:39
文字で読むよりも
落語は観に行くとか
聴く方が
おもろいですわなぁ(^^)