うみきょんの どこにもあってここにいない

うみきょん

日々のはざまについて、
地上でみた夢の記憶、
地中で見られた眠りのすきま、
絵画や小説、想像世界、花たちなどについて
静かに渡りを記述しています。

名前を知ると関係が変わる

小説/詩

名前を知ると存在するようになる。
たとえば鳥。
数年前まで、私にとって存在していなかった。
今のところに越してきて、色々な鳴き声をよく聞くようになり、
気になって、CD付き野鳥図鑑を買って
おもに鳴き声から、その名前を知るようになっていった。
すると、今まで漠然と、鳥の鳴き声だと思っていたものたちに
変化が生じる。あれはハクセキレイ、空たかく鳴くのは四十雀…
電線に沢山とまっている、あれはムクドリ…。
それは、いままでだって、ここに越してくる前にだって
きっと目にしていた、聞いていた鳥だったと、ある時気づいた。
名前を知る迄、存在していなかったのだ。

植物は、亡父が好きだったこともあって、
鳥よりは、ずいぶん名前をしっていた。
けれども、ヤブカラシ。
この植物だけは名前が長いことわからないままだったが、
ずっと中学生位から気になっていた、
わたしにとって、ずっと存在していた。
けれども名前を知った途端に
あちこちで姿を見るように。
うちのマンション下にも生えていたと判明。
名前を知ると関係がやはり変わるのだ。

  • うみきょん

    うみきょん

    2012/07/31 04:41:57

    そらさん、ありがとうございます♪
    それは、『陰陽師』でしょうか?
    あと、昔話でも、『大工と鬼六』…
    橋をつくってくれた鬼の名前が言えたら、
    それを頼んだ大工の眼玉ひっこぬかれずにすむ、
    鬼が逃げ出す、というお話がありました。
    フランスでも、やはり何かをしてくれた魔物の
    名前が言えたら、呪いはなくなるという民話があったと記憶しています。

    呪と祝という字も似ていますね。
    そういえば、神社などで、いただくお守りには、神様の名前が書かれてあるそうです。
    名前を書くことで、お守りに、神が宿るのだとか。
    逆に名前を書かないと宿らない…。

    名前というものについて考えると、奥がふかいですね。

    あ、仕事いってきます。でかけねば。
    ありがとうでした♪ いってきまあす。

  • そら

    そら

    2012/07/31 00:07:40

    名をつけることを、「呪(しゅ)をかける」「呪(しゅ)でしばる」ともいいますね。
    それで、その存在のかたちをたもっているとか。
    なので、ほんとうの名を人に知られないようにしたそうですよ、昔のひとは。
    名は呪で言霊。
    いのちをかたどっているそのひとだけの言葉。
    大切なものですものね(^^)

  • うみきょん

    うみきょん

    2012/07/30 09:47:30

    男だろマサ吉さん、ありがとうです。
    佳子と稽古とか、同音異語もおもしろいなあと思います。
    生むと膿むとか。
    髪と紙と神とか。
    ただ、それとはちょっと違います~(笑)

    桂子さんて、名前を知るまでは、自分にとって、ほとんど存在しなかった、みたいな経験を。
    電車にのってて、毎日おなじ電車であっていたのに、名前などわからなかった人が、
    ぐうぜん、同じ職場になったとか、そうしたときに、はじめて名前をしって、
    関係がかわったりとか。
    あるいは、とおりすがりの人物で、それまでだって、よく顔をあわせていたかも
    しれないのに、どこかで名前をしりあうと、そのときから、たがいに存在しあうというか。

    さて、またおしごとしてきまあす。

  • 男だろマサ吉

    男だろマサ吉

    2012/07/30 00:49:32

    あの子は桂子でオレは稽古みたいなww