Ben日記

ベンクー

思ったこと、感じたことの日記

すいません…

日記


今月も自作小説の〆切りに間に合いませんでした・・・m(--)m陳謝

一応書いたところまで載せておきます・・・

7月期小題 台風/「 」

顔に撥ね上がる泥水を拭いながら、フウは石斧を手に洞中を一見すると瞬時ホッとした面持ちになった。
彼が洞(ウロ)を窺ったのは、洞には大抵何らかの生き物がいると思っていたからだ。
しかし、一見したところ洞中に生き物の気配は感じられず、フウは泥だらけになりながら転がるように中へと潜り込んだ。
フウは、雨を避けるには最適の洞(ウロ)を見つけたと思ったが、入った途端、緩みかけた緊張をもう一度高めなければならなかった。小さかった入り口と異なり、洞内は胡座が掻けるほどの高さと生き物の気配をかき消すのに十分な奥行きがあったからだ。
フウは、手にした石斧を握りしめながら、空いた手で泥土を掴むと何度も暗闇の奥へほうり投げた。息を殺して潜んでいるかもしれない野獣に対処しようとしたのだ。だが、闇の奥からは何の反応もなく、ただ強風に煽られてきしむ大木の根音だけが洞中に響くばかりだった。
「これだけ広い洞に生き物がいないなんて…」
外は雷鳴が間断なく轟き、どしゃ降りの雨と強風である。これだけ広い洞であれば穴熊くらいは居てもおかしくないのにヘビ一匹いないのだ。森の生き物と共に生きてきたフウには、それがとても不思議に思えてならなかった。
「ミファの言うとおりにしておけば…」
手にした石斧を地面に刺し、フウは一つ大きな吐息を吐くと、雨の中をムリに出かけた失態を悔まずにいられなかった。

同じ頃、妻のミファは隣家の夫婦と共に近くに掘られた洞窟へと避難していた。昔から村人たちには、雨と共に風が強く吹いてきた時はすぐに洞窟に避難することが習慣付けられていた。大風(台風)から身を守る掟のようなものだった。
明け方、ミファは雨の中をフウが罠を見に行くと言った時に強く反対した。妙な胸騒ぎがしたからだ。
だが、森に出かけたフウを止めることはできなかった。『雨の時こそ大物が獲れるし、何より楽させてやれるから』と笑顔で言った夫の気持ちを無下にできなかったのだ。
ミファの心配そうな顔を見て、隣家の夫が、「そう心配しなさんなミファさん。なあに、風が収まればすぐに戻ってくるさ。フウのことだからきっと大物を持ってくるだろ」と気遣った。
「そうだよ。ウチみたいにノンビリしちゃいないからフウさんなら今頃はちゃんと獲物を抱えてどこかで風を避けてるよ!」
「おい、俺のどこがノンビリなんだよ!」
「あんたは立派にノンビリじゃないのさ。夜から雨降ってたからって仕掛けを見に行こうともしないで明け方になってもグースカ寝てたじゃないのさ!」
「くっ、・・・・・」
「ウチのとフウさんとじゃ比べ物にならないよ。ねえ、ミファさん」
話を振られたミファは戸惑いながらも、夫婦が贈る笑顔に人の優しさを感じるばかりだった。

洞に生き物がいなかったフウの懸念は悪い方で当たってしまった。洞内に響いていた大木のきしむ音に、水の流れる音が混じっているのに気付いたのだ。
「まずい…」

  • まゆ

    まゆ

    2012/08/01 21:08:44

    あらら……主人公を追いつめすぎて詰まっちゃいましたか?

    実は、わたしも、台風で一本没にしたのがありまして……
    主人公を追いつめすぎて、詰まっちゃいました><;;

  • かいじん

    かいじん

    2012/08/01 21:07:50

    今、大事な時期だと思うので、そちらを優先する方がいいと思います。

    作品はいつか時間が出来た時に完成させればいいと思います。

  • 木影宏

    木影宏

    2012/08/01 11:59:38

    ギャートルズより、クムクムという感じのお話ですね?

  • スイーツマン

    スイーツマン

    2012/08/01 04:07:08

    小説執筆は息抜き
    いまは最重要課題をどうぞ