グイ・ネクストの日記帳

グイ・ネクスト

 グイ・ネクストのつぶやきなどを日記でつづっております。

 あと詩をつぶやいたりします

感謝の言葉を発信していきます

ただひとつの種を持って

小説/詩

「世界樹が朽ちる・・・だから、命をくれないか?」

と、おかしなことを言う「格好だけ」は聖職者の姿をした黒髪で赤目の男は笑う。

 居酒屋の客たちは・・・何人か、ちらりとそちらを見たが、返事をせずに飲み続けた。

「じゃあ、もらうとしよう」と、男は動く。

座っている客の首が宙を舞う。噴出す血しぶき。

それを公園で水を飲むように、おいしく飲む赤目の男。

客は一斉に逃げ出した。はずだった。

だが、突然足が止まる。一歩も動けない。

怖くて、怖くて仕方がないのに。

ただ赤目の男に殺されるのを待つしかできない。

断末魔の悲鳴だけが店内に木霊する。

その中で金髪の少女だけは動くことができた。

「あなたは何?」

「われは苗床を探していたにすぎない」

「苗床?」

「そう、貴様だ」

「わたし?」

「この種を飲んで、世界樹となってくださいませ。マスター」

「世界樹とは何?」

「唯一の所持者、王の中の王、神の代理、闇の支配者」

「だったら、あなたがなればいいじゃない」

「われでは駄目なのだ。われはあなたの手足にすぎない。あなたは選ばれた存在なのだ・・・」

「わからないわね・・・これだけたくさん人を殺せるのに。世界を変える力をあなたは持っているのに」

「この場所にあなたを支配していた人でもいたか?」

「ええ、いたわ。わたしはここで賃金ももらわずに奴隷のようにこき使われていた使用人だから」

「だが今日からは王だ」

「それがわからない・・・。力ならあなたの方があるじゃない」

「それはこの種を食べてみればわかる」

「種・・・見せて」

「これだ」と、赤目の男が取り出したモノは七色に輝く宝石のように見えた。

「ちょっとどうやって食べるのよ」

「手で持ち、胸に近づける」

「・・・わかった」と、金髪の少女は言われたとおりにやってみる。

宝石は胸の中へすぅーっと消えて行った。

「どうだ?王の中の王になった気分は?」




「おい、起きろ!」と、水をかけられる。

あれ・・・わたし。また寝てた?いえ、気を失っていたのかな

そこには顎ひげを生やした支配人が、わたしを睨んでいた。いつもの光景すぎて何も言葉が出てこない。

「すみません」・・・と、わたしは謝った。

「ほら、さっさとこれを持っていけ。6番テーブルだ」と、支配人はわたしにお盆を持たせた。

わたしはそれを持って、6番テーブルへ向かった。

何だったんだろう・・・さっきのあれは夢?

「お前が王だ」

と、頭の中に声が響く。

何を言ってるのよ

「お前は誰にも支配されていない」

またわからないことを・・・。

「王の中の王、神の代理、闇の支配者」

悪いけどわたしはそんなに強くないわ

「そなたは笑った。われの前で不敵にな。さあ、笑え」

笑えばいいの?

わたしは6番テーブルにいつものように持って行き、テーブルに置き終わった後ににっこりと、不敵に笑った。

「いい度胸をしてるな。気にいった・・・わしに雇われねぇか。いや、お前に街ひとつ任せてもいい。どうだ?」

よく見ると目が一つ無いその男性はわたしにそんなことを話してきた。

「おじさん・・・わたしはただのガキよ。どうしてそんなことを任せるの?」

「気に入ったからさ」と、目の無い男は話す。


わたしはその日のうちに店を出ることになった。

居酒屋の支配人は大金を貰い、嬉しそうな顔でわたしを見送った。

わたしは売られた・・・・・・。それも慣れている。

もう8回目だ。

次の主は・・・このおじさん?

「主はおめぇだ・・・勘違いするなよ。おめぇのことはライラと呼ぼう。わしが尊敬する女神の名だ」

「おじさんはわたしの中に何を見たの?」

「虹色に輝く世界樹の石さ・・・わしは。はぁ、これまでろくなことをしてこなかった。このままじゃ地獄へ落ちる・・・どうすれば天国へ行けるか、悩んでいた。夢でお告げがあったのさ。虹色に輝く世界樹の石を持つ者に財産を譲れとな」

「だから、街を一つくれるの?」

「そうだ。うまく経営してみせろ。いや、やり方は全部教えてやる・・・あとはおめぇで工夫してやってみろ」

「どうしてわたしに世界樹の石があると?」

「さあな・・・・・・わしはこの界隈じゃ。恐れられる存在でしかなかった。わしを見て不敵に笑う奴なんざ。とうの昔に死んだ友人ぐらいのものだと、思っていた。おめぇはあいつに似てる。奴の名前はアイザック」

「・・・・・・それ、わたしの父親」

「何だと?」

「父は殺されたと聞いてる・・・あなたが殺したの?」

「かもしれねぇな。わしが殺したようなもんかもなぁ」

「そう・・・・・・。でも、いいわ。これからはわたしが王。わたしが世界を作っていけばいいのよね」

「そうだ・・・おめぇが作れ」

ライラと呼ばれる少女は名誉市長となる。

彼女は天寿を全うし、136歳を迎えた日に死んだ。

死の直前に、「おじさん、天国へ行けたかな?」

と、考えたが・・・目の前に笑顔で迎えに来ているのがそのおじさんだと知り、彼女は微笑んだ。

それが彼女の最後だった。



ps:あなたにも「世界樹の石」はある。

 現状の中から「恵まれている」ことに感謝し、心の声に忠実に生きる時・・・不思議と人生は開かれる。

 それは言葉では言い表せない不可思議さがある。

 あたまでわかろうとしても無駄だ。

 って偉そうに書きましたけどw

 お読みいただきありがとうございました。

 この物語を読んでどんな感想を持つのか、ボクは知りません。現状の中に「しあわせ」を見つけるのが・・・人生の王道

 王の中の王、神の代理、闇の支配者

 人間にはそんな力はありません。

 ただ「いつもと変わらぬ現状の中に「しあわせ」を見つけることができた者は、「王の中の王」と、同じ波長。同じ波動になるのだとご理解ください。

 そこに「奇跡」があるわけではありません。

 きっかけがあるのです。

 その「波動」は「全宇宙」を動かすのです。

 シンクロニシティが起こり始めるのです。

 あたまで考えても無駄です。

 わかるわけありません。

 見つけてみてください。

 いつもと変わらぬ日常の中に「しあわせ」と、「恵まれていること」・・・。

 たった一つでもそれに感謝していく。

 王の中の王に・・・全宇宙を治める唯一の所持者と同じ波動になることは。

 奇跡の始まりなのです。

 だから、「感謝する」ことは尊いのです。

 あい


#日記広場:小説/詩

  • 更紗・

    更紗・

    2012/08/18 15:20:30

    ココ まだ読んでなかった(*´∇`*)

    「世界樹の石」 かぁ
    うちの中にもあるのかな?
    もしあったとしても 輝いていない気がするよ