うみきょんの どこにもあってここにいない

うみきょん

日々のはざまについて、
地上でみた夢の記憶、
地中で見られた眠りのすきま、
絵画や小説、想像世界、花たちなどについて
静かに渡りを記述しています。

妖精の通り道 2

小説/詩

前回、8月22日の続き。
「妖精が通ります」
最初に立て札を見つけたのは、じつはもう二週間以上前なのです。
バイトの途中で。
暑さとノルマでぼうっとなっているとき。
見つけたときは、ほんとにうれしかった。
たいせつな優しさをもらったみたいで。

そして、二週間ぶりにまた、やはり仕事で
「妖精が通ります」の立て札のある所へ。

けれども、もうないかもしれない。
妖精が通る道だもの、見えなくなったとしても不思議はない。
現実に一瞬、ひらいた、異次元への道。
そんなふうに思いながら、さがす。
ここだったっけ、いえ、ちがう。やはりないのだろうか。
あそこ、あった! ん?
裏返しになっていたので、そっと戻した。
こんなことをしたのは、妖精、彼らのいたずらかもしれない。

…。

友人に、このこと、メールしたら
立て札に、お返事かいたらどうかしら?
「妖精見ました!」とか
と。

いいですねえ。
立て札のある植え込みにそっと手紙をしのばせたり、
紐付きカードをぶらさげたり。

「いつもありがとう 妖精より」とか。

しないかもしれないけれど、
することを考えると、
なんとなくやさしい気持ちになる。
「妖精が通ります」
をはじめてみた時のように。

  • うみきょん

    うみきょん

    2012/08/26 02:31:28

    ヒガシさん、いつもありがとうございます♪
    ほんと、心が温かくなります。

    植え込みの向こうに、かわいい三輪車などがあったりするので
    お母さんが、小さな娘に、つくってあげたのかなとか、勝手に想像してます。
    そんなことも、なんだか楽しい。

  • うみきょん

    うみきょん

    2012/08/26 02:30:02

    男だろマサ吉さん、いつもありがとうです♪
    優しい話でしょう?
    そういえば、メールした友人の、そのまた友人は、
    「うちには座敷わらしがいます」という貼紙をみたことがあると書いてきました。
    ちょっといたずらをして、けれどもやさしい座敷わらし。

  • ヒガシ

    ヒガシ

    2012/08/25 18:01:49

    ちょっと心が温まりますね。

  • 男だろマサ吉

    男だろマサ吉

    2012/08/25 13:00:52

    優しい話だねw