☆三国志
曹操と袁紹の戦も決着をつけることになってきました。曹操軍は白馬・延津で袁紹軍に大勝していたことが、後々まで影響することになってきます。また、戦力を比較すると袁紹軍のほうが断然勝っていたのですが、勢いに乗る曹操軍ですから、袁紹の参謀たちは慎重にと作戦を練るように進言しました。しかし、袁紹は頭に血が上っていたのか参謀たちを謹慎処分にしてしまい曹操と正面からぶつかることになりました。
まずは、袁紹軍が有利に戦いを進め、曹操は官渡まで後退します。しかし、袁紹は相当曹操に恨みがあったみたいで、参謀から許都を急襲して天子を迎えて決着を付けると言う案には耳を貸さず、とにかく曹操を捕まえることに執念を燃やします。
しかし、勢いは曹操のほうにあり、てこの原理で石を弾き飛ばす発石車の発明、さらには袁紹の参謀の一人許攸の寝返りで、形成は一気に逆転することになります。すなわち許攸は曹操に袁紹討伐の秘策を述べたのです。「いま袁紹の兵糧は全て烏巣に貯えてあるが、それを守る淳于瓊は酒に溺れて何の備えもしていない。そこで精兵をよりすぐり、袁紹の兵と偽って烏巣に行き油断をついて兵糧を全て焼き払えば作戦は成功する」というものでした。
これを聞いて喜んだ曹操は自ら烏巣に進軍することにしました。ここでも面白いエピソードがあり、曹操は五千の軍勢に敵軍の旗印を持たせ、声を立てないように馬の口を縛って出発したと言います。さらに、袁紹の陣営の前を通り過ぎる時には、「袁紹の命令で兵糧の警護に行くところだ」と答えたので、なんの邪魔にあわずに烏巣に到着し、見事に袁紹軍の兵糧を焼き払うのに成功しました。
袁紹は、烏巣が攻められたと知って、曹操の留守を狙おうという郭図の作戦を容れて張コウ・高覧の二人に官渡を攻めさせるのですが、待ち受けていた曹操の軍勢に撃ち破られてしまいます。
さらに、郭図は二人が帰陣すると、自分の献策の誤りが明らかになるのを恐れたので、「二人はかねてから曹操に降伏しようと思っていたから、わざと負けるに違いない」と袁紹に告げます。一方、張コウ・高覧の二人には「袁紹があなた方を殺そうとしている」と告げさせ、曹操に降参させてしまいます。
このようなことがあり袁紹軍はすっかり戦意を失ってしまい、そこへ曹操は降伏してきた敵将を先鋒にするなどして、総攻撃をかけたので、袁紹軍はついに壊滅し、袁紹は黄河を渡ってやっと逃げ延びました。