TAKEのつぶやき

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TAKEのつぶやき

☆高津の富

お笑い

富籤(宝くじの元祖)をネタにした落語は結構あります。いつの時代もなかなか当たらないけど、当たったらどうしようかと夢が大きくなりますから、ネタになりやすいんでしょうね。江戸時代に行われたこの富籤は、許可を受けた寺社が勧進のために行ったそうです。

【スジ】
田舎から金の工面をするために出てきた男がある宿屋に泊まる。
実際には金を持っていないのであるが、宿屋の主人には大風呂敷を広げていた。しかし、話しの勢いでなけ無しの一分で富札を買わされてしまうことになる。そして、また話しの勢いで当たったら半分あげると約束していまうことになる。

男はぶらりと神社(抽選場)にやってくる。丁度富籤の抽選の真っ最中で、時代劇でも時々見かけるように抽選は大きな箱に札が入っていて、キリでそれらの札を突いて抽選するのである。男は持っていた富札と当たり番札とを見比べると、なんと当たっていた。

びっくりした男は震えが止まらず、宿に帰って寒気がすると言ってふとんに入って寝てしまった。また、宿屋の主人も神社で当たり札の番号を見て、客に売った富くじが当たっているのを見た。そして、男同様に慌てて帰り、下駄をはいたまま二階の座敷に飛び込んできた。

「何が起こったんか知らんが、人の寝間へ下駄履いて上がって来る奴があるか」

「え? 下駄? あんまり嬉しぃて、下駄脱ぐのん忘れておりますねん。誠に相すまんこって。そんなことより旦さん、ちょっとも早よぉお祝い酒を。」

シュッと布団をめくりますと・・・

男も草履はいて寝ております。