☆抜け雀
別名「雀旅籠」と言う落語です。この手の噺は数は多くないのですが、時々聞くことがあります。不思議なことがあって繁盛するというのは落語のネタにはもってこいでしょうね。
【スジ】
ある旅籠に見るからに金を持っていない男が泊まりにやってくる。案の定、数日たってもいっこうに支払う気配がない。たまりかねた店の主人が宿賃の催促に行くが、男はあっさりと「金はない」と答える。
こんなことでは店はやっていけないので、主人がと食い下がると、男は筆を貸してくれという。
わけの分からないまま主人が筆を渡すと、男はふすまに見事な雀を描く。また、それはまるで生きているような雀で、今にもふすまから抜け出してきそうに見えた。
そして、男は宿賃の代わりにこの絵で勘弁してくれという。また、この絵は売ってはいけないと申し添える。
店の主人もその絵の見事さに満足して、男を送り出した。
しばらくすると、その絵の雀がふすまから抜け出しチーチーとさえずるという噂が広まりだした。そして、その雀を見物しようとする客で旅籠は繁盛するようになる。
さらにしばらくして、白髪の老人が現れ、ふすまの雀を見るなり、このままだと雀は死んでしまういう。どういうことかと主人が尋ねると、
「なるほど確かに雀は見事に描けている。しかし、このままでは雀が体を休めるところがない」
そこで、老人は主人から筆を借り、雀の休むところだと言って籠を描く。
その後も雀の評判は広まり、旅籠を訪れる客は増える一方で、店はいつしか「雀旅籠」と呼ばれるとうになった。
数年後、再び男が旅籠を訪れる。
「お懐かしゅうございます」
「絵ぇ拝んで何してはりまんねん?」
「亭主、これをお描きになったのはワシの父上じゃ」
「あんたのお父さん。争われんもんや、セリフが一緒やと思いました……へぇ~、名人が二代続きましたんやなぁ……」
「かかる事に心付かざりしとは、相変わらずの未熟者。お諭しが無ければ、慢心をいたすところでございました。不孝の罪は幾重にもお許し下さいますよう、お詫びを申し上げます」
「何を言ぅたはりまんねん、絵ぇに描いた雀が飛んで出るてな名人におなりになって、何の親不孝なことがございますかいな!」
「いやいや、この歳になってもまだ親に籠をかかせている」
琉衣
2012/12/27 10:23:10
難しくて何を言ってるのかわかりませんでした泣