ま、お茶でもどうぞ

蒼雪

日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。

母と子

家庭

日が落ちてからの犬の散歩途中で、こんな光景を見ました。

とある団地の駐車場に車を止めて帰ってきた母子。

女性は、車から降りた小学1年生くらいのランドセルを背負った男の子に、「お前が~~だからだろ!」
と、ものすごい口調で怒鳴っていました。
~~の部分は聞き取れませんでしたが、とにかく怖いしゃべり方。

男の子はうつむいてじっと黙っていました。
まだ何か怒鳴りながら、団地の玄関に歩いていく女性。子供はおそるおそる後をついて行きます。
しかし、その様子がむかついたのか、女性は持っていたバッグで子供を殴ろうとしました。
子供は避けましたが、泣こうともせず、ただひたすら母親の怒りが収まるのを待っていました。

女性は子供を無視して、自分だけ部屋に入ってしまいました。
1階の部屋なので、乱暴にドアを閉める音まで聞こえてきました。
男の子は途方に暮れて、玄関のところで迷ったようにうろうろしていました。
その子に寄り添うように、無邪気な声が聞こえたと思ったら、車の陰に、男の子の弟らしき2歳くらいの子がいました。

男の子はやっぱり黙っていましたが、小さな兄弟のためにも、家に入りたそうにしていました。
それでも、激怒した母親が怖かったのか、なかなか家に入ろうとしませんでした。


この様子を、私はただびっくりして遠くから眺めることしかできませんでした…。
この親子は以前にも見たことがありますが、その時も母親は男の子に当たり散らしていた覚えがあります。

親も人間ですから、今も昔も理不尽に子供を怒鳴ることは多いですが、思うに、一昔前よりも今の状況はかなり深刻な気がしました。

ちょうどその時間帯は、帰宅する学生や大人も多い時刻です。
けれどその女性は、ひと目があることをまったく忘れて子供に怒鳴っていました。

どれほど彼女には余裕がないんだろう…と思います。
非難するつもりはありません。
自分のことでいっぱいいっぱいになっていると、自分より弱い立場のものに八つ当たりする気持ち、理解できます。
それほど彼女には味方もいないんだろうな、と。
昼間仕事をして、小さい子供2人の面倒を見て、家事もして、とても大変でしょう。
きっと旦那さんは育児などを手伝ってくれないのかもしれないし。
追い詰められた人特有の悲痛さが、男の子との間に伝わってきました。
(そういう推察なしで見ると、ただ母親が乱暴な人にしか見えませんが…)

お家に入れなかった男の子の気持ちも察せられてつらかったです。
お母さんがあんな調子では、家に居場所がないことでしょう。
けれど、小さな弟の存在が彼を慰めてくれているようです。
もし弟妹がいなかったら、どんどん追い詰められていくだろうから。
男の子は何があろうと言い返さない、それは優しい子だからです。
その優しさが、親に何も言えない子に育ってしまうこともあると思うと、よそのことながら胸が痛くなりました。

子供は親を選んで生まれてくるというけれど、この女性は、この息子さんで本当に良かったのじゃないかと思います。
ママの気持ちを受け止める、優しい息子さんで良かった。
女性も、冷静になる時間が必ず訪れます。そのときに、たぶん子供に当たる自分を責められると思います。

一生懸命親子を学んでいる姿に、自分も何か学ばされた思いがしました。
遠目から見ていたいくじなしですが、心の中で少年に「がんばれ」とつぶやかずにはいられませんでした。

この親子が将来、いい関係を築けるように願ってやみません。


#日記広場:家庭

  • 蒼雪

    蒼雪

    2013/03/05 00:16:17

    ふうこさん、コメント感謝です。

    私も、親子がどうにか良い方向へ解決してもらいたいと…その団地の前を通るたびに思っています。
    自分を抑えることのできない大人、親が多くなっている気がするのは気のせいでしょうか。
    それだけ、まわりからの抑圧も高いってことですよね。その親たちが…。
    社会不安も高まっているせいで、いろんな痛みが大人も襲っているんですよね。そのしわ寄せが子供たちにも来る。いじめをする子は、親からも何らかの暴力を受けているそうです。
    その説は正しいですね。私もいじめを受けていた時、いじめをしていた子たちの親は子供に異常に厳しく、体罰も多かったんです。厳しいっていうより、親はストレスのはけ口にしてたんだと思いますが。

    子供の時に受けたトラウマって、かなりあとまで響きますので…。
    そしてそれが、どういう形で発露するのかはわからない。
    たぶんこの親子もその芽ができてしまったから…将来、どうにか頑張って良い解決を見出してほしいなと思います。そしてなるべく早い段階で関係が修復できますように…。
    子供が大人になってもまだ傷を引きずっている場合、ふうこさんのおっしゃるようなことにもなりかねませんから。

  • ふうこ

    ふうこ

    2013/03/05 00:02:44

    私は、ベランダからすぐ下の公園や通りをなんとなく見ることがありますが、
    やはり、ちょっと気になる親子を見ることがあります。
    親としてこうしちゃいけないなとか、あの子なんだか可愛そうだなぁとか…。

    前に読んだ本で、虐待を受けた男の子が、父が年をとってから、
    父に乱暴したケースが載ってましたが、
    蒼雪さんの言うように、自分で自分を責めるようになるような気がしますね。
    親子がいい方向に向かってくれるといいですね。

  • 蒼雪

    蒼雪

    2013/02/19 10:39:35

    あびにゃんこさん、コメント感謝です。

    私もいっぱいいっぱいになった時期があったので(苦笑)、彼女のような人の気持ちはわかるつもりです。
    怒鳴りたくて怒鳴る人はいませんよね。
    たぶん旦那さんともうまくいってないんじゃないかと思われます。
    (その住宅は夫婦や家族しか住めないので)
    まだ若い方ですし、自分の時間も欲しいでしょう。自分が遊ぶ欲求がかなえられないと、束縛する子供が憎くて仕方なくなるみたいです。
    専業主婦には見られない姿ですね。外で仕事してるといろいろあるし、ストレスのはけ口になってるのかもしれません。

    この親子が将来どうなるかはわかりません。
    逆転して息子が母親につらく当たることは…まずないと思われます。
    こういう内に秘める子は、不登校とかひきこもりになる場合が多い気がします。自分で自分を責めるんです。
    でもこの小さい弟さんが(妹かもしれない)彼の居場所になってくれているようです。
    この子だけが、男の子を責めたりしませんから。少し、安心しました。

    なんてことを、傍観していた数分間で考えておりました。
    私も彼女のような女性を見ると、まず嫌悪と怒りを覚えますが、恥ずかしい話、自分の経験からか、そういった人たちの気持ちも汲むことができるようになりました^^;

    たぶんいろんな形で、あの女性は自分がしたことを反省する機会が来ると思います。
    その時に息子さんに純粋な愛情を注いでもらいたいと祈らずにはいられません。

  • 蒼雪

    蒼雪

    2013/02/19 10:26:00

    櫟さん、コメント感謝です。

    私が見たこの母親は、それこそ子供がいらない、憎くて仕方ないくらいの口調で怒鳴る人です。
    実際そう思ってるでしょうね。瞬間的にでも。
    見た目は上品な人なので、その口から発せられるヤンキー口調が恐ろしかったです。

    他人が親切で声をかけたり、叱ったりする時代はもう終わった気がします。
    今は知らない人が話しかけるだけで犯罪を疑われる世の中になっちゃいました。
    家庭内暴力の問題も深刻です。赤ちゃんや子供は泣くものだけど、よその家から泣き声がすると不安になってしまいます。

    この記事を書くときに、少しネットで彼女のようなケースを調べてみたんですが、大半は怒鳴ったことを自分で後悔してる方が多かったです。
    だからこの女性も、あとで後悔するんだろうな…いや、しないとダメだと思います。

    親に怒られて黙り込む子供は、将来必ず何か抱えてしまいます。
    そこで泣いたり、口答えして怒り返す子供は大丈夫です。親に自分の気持ちを伝えていますから。

    関係性がそのままだと、大人になったときにひきこもったり、異性が信じられなくなったり、同じく子供に当たる人になる可能性があります。

    兄妹思いのあの男の子が、どうかまっすぐに育ちますように。願うことしかできません;;

  • あびにゃんこ

    あびにゃんこ

    2013/02/19 06:32:17

    そっか。
    「彼女には味方もいないんだろうな」
    という一文に蒼雪さんの優しさを感じましたねー。
    私なら嫌悪感たっぷりに書いてしまうだろう事柄を
    こんなふうに分析できるなんて!
    この状態が続けば、いつか力関係が逆転する。
    必ずね。
    母が衰えていくのに、息子はどんどん力が強くなっていく。
    そんなとき、変な事件に発展しないように願うばかりです。
    母が被害に遭うのは自業自得としても、子どもを加害者にしてはいけませんね(-w-

  • 櫟【イチイ】櫟

    櫟【イチイ】櫟

    2013/02/18 23:44:38

    興味深く拝見しました。

    私も小売店で働いているので、似たような光景はたまに目にします。
    店内で子供がはしゃいでいるのに無関心な親が多い中
    「何度言ったら!」と手をあげようとする親御さんがいると
    「うんうん、ちゃんとしかってください」と内心思ってしまいます^^;

    ただ、その場合子供は泣きじゃくるか、謝るか、いずれかの行動をしています。
    蒼雪さんのご覧になった光景はそれとは違い、親子共に余裕のなさが感じられますね。

    しかしそれでも、他人の親子の事には他者には踏み込めない一線がありますよね。
    蒼雪さんのとられた行動は、意気地がないのではなく、正しい行動だったと思います。

    もうすぐ新年度、良くも悪くも環境が大きく変わる季節。
    この親子がいい方向に向かうよう、願うばかりです。