アンティーク・ビスクドール
きょうの雨で、桜はちってしまうだろう…。
かれらのおわりをみるのがしのびなく、
きょうは桜たちにあいにゆかなかった。
おわりをみとどけなくてはならないのかもしれないけれど。
ここの服屋で、ボンネットハットが売られているのに気付いた。
2月限定なので、もうすぐ販売終了。
ゴシックとかロリータとか、自分が着たいとはおもわないが
ゴシックということばの本来の意味…
中世ヨーロッパの美術、
あるいはゴシック小説とかにはノスタルジーをこめてひかれる。
けれども、帽子がほしくなったのは、それが
フランスのアンティークのビスクドールみたいにおもえたから。
ジュモーやブリュ。
19世紀末にひかれるからか。
なぜか幻惑的なひびきがある。
おおきかったり、そして値段がはるので
本物はもっていないのだが
いや?どうなんだろう?
100年ぐらい前につくられたという、10センチぐらいの
人形はもっている。
ちいさいけれど、みためはとてもそれらしい。
わたしがアンティーク、ビスクドール、それらにたいして
感じているなにかたちを、一身に具現して
あらわれたような…。
おなじ大きさで、あと二体うちにいる。
ひとつはやはりアンティーク。
もうひとつは現代のものだそうだ。
三人でおなじ箱部屋のなかでかたらっている。
というわけで、なんとなく帽子をかったのは、
ビスクドールっぽい格好をした人物にしたてたかったから。
彼女はだれだろう?
わたしの分身であり、ビスクドールであるのかもしれない。