小人閑居

Tucker

小人閑居して為した不善の記録。

「永遠の命」?

日記

ナショナルジオグラフィック
 2013年 4月号


印象に残った記事は次の3つ。

1.復活する絶滅種
 絶滅した動物をクローン技術で蘇らせようとする研究についての記事。
 ただ、復活が望めるのは、今から数万年前までの間に死に絶えた生物種に限られる。
 要するにゲノムを再構築できる程度のDNAが残っていなければならないので、今のところ、恐竜の復活まではできないらしい。


 記事にもあったが、仮に絶滅したリョコウバトの外見と生態を再現できたとしても、それはリョコウバトと呼んでいいものだろうか、という疑問がある。


 コワい例えだが、死んだ人のクローンを作って、故人と同じ記憶を持ち、同じ考え方をするようにしたら、それは同一人物なのだろうか?
 同一人物だとしたら、死んだ人は一体、何者で、逆に同一人物ではないとしたら、作られたクローンは一体、何者なのだろう?


 この類の研究には「生命の神秘を探る」という面と「生命を弄ぶ」という面がギリギリの綱引きをしているような感じがある。


 が、おそらく技術的に可能であれば、いつか「リョコウバト」は復活する(復活させられる、と言うべきか)だろう。
 「キメラ」が生まれない事を祈るのみ・・・。


2.マナティー 保護か観光か
 温かい水を求めて米国フロリダ州のキングス湾に集まるマナティー。
 観光資源としてのマナティーと、マナティーの保護を巡る問題。

 ある意味、「お約束」の対立だが、その原因となっているのが、おとなしいマナティーだというのが、なんとも皮肉。

 フロリダ州のマナティーの死因の四分の一が船との衝突で、さらに船のスクリューで傷ついたマナティーの写真を見れば、やるべきことは分かっているように思えるが・・・。
 そこに暮らしていない、よそ者の考えなのだろうか。

3.ワイルドなやつら
 ヨーロッパの伝統的な祭りに登場する異形の者の紳士(?)録。


 熊や牡鹿、魔物に悪霊。
 中には、日本の「なまはげ」を連想させるような姿の者もいる。
 ・・・と思ったら、「なまはげ」と同じような事をする者までいた。

 おそらくは、キリスト教が広まるまで、その土地で信仰されていた神様なのだろうが、その個性的な姿に、ついつい見とれてしまう。


 同じ号の冒頭に「写真は語る」という記事で、日本の異形の神(要するに「なまはげ」のような者)についての写真もあるので、見比べることもできる。
 うまく言えないが、どこか共通したものがあるような感じがする。


#日記広場:日記

  • Tucker

    Tucker

    2013/04/29 21:03:45

    >カトリーヌさん
    以前、アメリカでは、精子バンクとかいう商売がある、と聞いた事がありますが、ますます根拠が薄れていきますね。
    その前に、まだ続いているかは不明ですが・・・。

    >ラムセス2世さん
    「技術的に可能」で、縛るものが「人為的に作ったルール」だけならば、誰かがやりだすとは思ってましたが、すでにそうなんですね。
    クローン豚が逃げ出して、野生のイノシシと交雑したら・・・。

    生息環境を破壊する、とは違う意味の絶滅の理由が増えてしまいそうです。

  • ラムセス2世

    ラムセス2世

    2013/04/29 20:50:50

    ふーむ・・・
    成体のままでのクローンはまだ難しそうですね^^;

    ただ、家畜のクローンはすでに年間数百頭に上る・・・って・・・(><;
    しかも管理されて無い!?

    「 Viagenではドリーの誕生以降、これまでに世界で3000頭の家畜がクローン化されたと推測している。世界では年間約200~300頭のウシ、200~300頭のブタのクローンが作られているという。」

    「同じものばかり」食べるのは体に悪いと思うんだが・・・
    家畜自身も病害等にやられやすくなる危険があるのに・・・

  • カトリーヌ

    カトリーヌ

    2013/04/29 02:34:40

    確か、アメリカで、
    某バイオベンチャーが、死んだペットを蘇らせると言う事で、
    死んだペット(ここでは猫!)の死体から採った細胞核を使って、
    クローン猫を作ったという話がありました(事実です!)。

    でも、生前のペットの猫とは、
    性格も、毛色や模様もまったく違っていて、
    そっくりさんにはならなかったとかで、動物愛護団体から非難されているとか。

    http://wired.jp/2003/01/23/クローン猫、外見も性格もオリジナルとは「別の/
    http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2819927/7613948

    言われているほど、クローンでそっくりさんは作り難いようです。
    だから、クローンで出来た動物は、
    オリジナルとは違う、別の動物というのが正しいかも・・。

  • Tucker

    Tucker

    2013/04/28 20:21:34

    個人のクローンは、藤子・F・不二雄の短編にありそうな話ですね。

    種の復活については、
    「人間が乱獲、もしくは生息環境を破壊したせいで、絶滅した種は復活させる義務がある」
    と考える人がいる一方で、
    「環境に適応できないからこそ、滅んだ種を復活させても意味がないのでは」
    という意見があるそうです。

  • ラムセス2世

    ラムセス2世

    2013/04/28 20:09:11

    個人のクローン・・・
    元になった人と同じ外見・同じ行動・考えをし、
    記憶や経験まで同じだったら誰に別人と判別できるのでしょう?
    (とはいえ死体はハテどうするか・・・うーむむむ)
    赤ん坊からやり直すのなら別人と出来るでしょうけれど・・・

    種の復活は一固体だけでは無意味でしょうね。繁殖が出来ませんから。
    数十から数百固体は要りそうです^^;
    そんなにたくさんの固体分のDNAが残っているでしょうか?
    DNAを操作したらそれこそキメラです・・・

    それと環境に適応できずに滅んだものを復活させたところでまた滅んでしまうでしょうね。