うみきょんの どこにもあってここにいない

うみきょん

日々のはざまについて、
地上でみた夢の記憶、
地中で見られた眠りのすきま、
絵画や小説、想像世界、花たちなどについて
静かに渡りを記述しています。

CMに出たこと、思い出した

テレビ

小さい頃、父親がテレビ関係の仕事をしていたからか
何本かCMにでたことがある。
今は、おそらく、子役とかで、そういった枠が埋まってるから
素人が出ることって、ないんだろうけれど
当時は、もっと、いい加減だった。
ちょうどいい年齢の子が、だれそれさんのうちにいるから、
使っちゃおう、みたいな。

ひとつは、というか、印象的に覚えているのは、
不動産屋さんのCMで、きれいなおねいさんと、家のまわりを
手をつないで、ふたりで散歩する…そんなかんじのもの。
わたしは5歳ぐらいだった。まだ学校いってなかったから。
おねいさんは、本番になるまえ、おもむろに
カツラをかぶったので、ちょっとおどろいた。
なんだか不思議なものをみる感じだった。
実生活で、まだそうしたことにおめにかかったことが
なかったからだろう。
変身とか、そうしたおとぎ話的な世界をかいまみるようだったのだ。

本番中、いろいろやさしく質問してくれて
わたしはおねいさんのほうをみながら、いっしょうけんめい
こたえていた。
できあがったものは、たしか、そうした会話はなかった。
ただふたりで話しながら歩いているかんじで。
あの会話が流れないのか…
がっかりはしなかったけれど、これも不思議だった記憶がある。
自分はやさしいおねいさんと歩いているだけなのに、
それが、べつの使われ方をしている、そのことに。

あとはゲームや、おもちゃのCM。

こうやってかくと、けっこう思い出すなあ。
ちょっと、うれしい。