うみきょんの どこにもあってここにいない

うみきょん

日々のはざまについて、
地上でみた夢の記憶、
地中で見られた眠りのすきま、
絵画や小説、想像世界、花たちなどについて
静かに渡りを記述しています。

百年後にあいましょう

小説/詩

 外をめぐる仕事をしている時。下校時間だったのだろうか。学校帰りらしい少女たち。「よいお年を」「一年後までさようなら」「百年後に会いましょう」。笑いあって別れのあいさつを交わしている。異人の言葉のようで心地よい。別の世界、異国の住人たち。なつかしいようで、大切な。遠いようで、実は近しい。聞きなれないようで、けれども想像の世界では、使っているはずの言葉たち。
 寺山修司の映画『さらば箱舟』、あるいは舞台『百年の孤独』のセリフ、「百年たてばその意味分かる! 百年たったら帰っておいで!」を思い出しもして。