えりか

無題  作者不明

小説/詩


愛は  午後の船に似ている

陽は  西へ傾き

海は 青から黄金へ

世界の果てまで 獲物を求めて

帆走してゆく 午後の船

乗り手は ない


結末はいつも 裏切りばかり

決して 明るむことのない

私達の  胸の  暗闇を

鋭い 羽根で さっとかすめて

飛んでゆく 見えない鳥   愛よ

裏切りばかりが

アンコールを 呼んでいる

愛  という名の  お芝居