霊の存在などを頭から否定してかかる方もおられますが、ユングの説く心理学を調べてみるとテレビのバラエティ番組が飛びつきそうな内容がいくつも見られます。ただ、心理学で論じているものは一般に言われているものとは相当な開きがあります。

フロイトと並び称されるユングは学生のころから霊の世界への強い学問的関心を持っていたといわれ、そのころから霊の世界の実在するものと考えていたようです。

そして、ユングはオカルト現象（幽霊・精霊・降霊などの超常現象）とは人間の無意識の投影だと考えるようになります。さらには超心理学的現象と考えられる共時性現象について、ユングは元型的な無意識が関与するときに特に起きる点に注目し、心理学と物理学の接点の現象だと考えるようになります。

つまり、ちょっと乱暴な言い方になりますが、霊とは神秘的なものではなく、いわゆる集合的無意識の一つと考えられ、特別な存在でもおどろおどろしいものでもないわけです。いずれは科学的に解明されるものと考えられています。