うみきょんの どこにもあってここにいない

うみきょん

日々のはざまについて、
地上でみた夢の記憶、
地中で見られた眠りのすきま、
絵画や小説、想像世界、花たちなどについて
静かに渡りを記述しています。

カラスアゲハ

イベント

けさ、缶びんをすてにいったら
集合ポストがならんだ壁に
(うちはマンション)
カラスアゲハがとまっていた。
標本のようにうごかない。
アオスジアゲハはよくみるけれど
まっくろなカラスアゲハは
ここらへんでみたことがなかった。
それにしてもうごかない。
けれども
しんでいるのだったら、
こんなふうにとまっていないはずだ。
標本…。
メガネをしていなかったので
すこしぼやける。
ちかづいてみたが、どうじない。
こころなしか触覚がうごいたようだ。
白い壁にあいた穴のような黒い色。
幻想への入り口。
こんなふうに、幻想へはいれるのだ。