「なれ寿司」になるよりはマシ。
場所柄、年に1回くらいの割で、
自殺や他殺死体の遺棄などがある。
凄まじい事故死のご遺体を確認したことも、
その傍らで、虫の息だった人の心臓マッサージをして救急車両を待ったこともある。
べつに亡くなった方が、恐いわけではない。
恐いのは、「やる」前に、見分けられなかった
ことだ。
どんな事情があるのか、知らないけど、
最後のストッパーになれなかったと思うと、辛い。
その辛さが、恐い。
昨日の夕方、
夕焼けが綺麗に海上の雲を染めて、
一日の終わりを華々しく告げていた。
わたしは、いつもの通り晩ご飯を買って、
さー、飲むぞ~♪と意気込んで帰ってきたが・・・
車が停まっている。
やだなー、また迷惑駐車かなー、やだなーと車中をのぞき込んでみたら、
なんと。
可愛らしい女の子が、
目に涙をいっぱいためて、
驚いた顔で、こちらを見つめているではないか。
いかん、こりゃまずいっ。
買ってきた袋も放り出し、
「さ~、一緒にお茶でも飲もうか~♪」と言って、
彼女を確保した。
・・・
恋人間DV。
金銭トラブル、強迫、つきまといの被害で悩んでいた。
可哀想になあ、
なんで、こんな可愛い子が、
だメンズに捕まっちゃうんだろうなあ。
ひとしきり海を眺めながら泣いて、
来た道を帰って行った。
さあ、今日、念のために警察に電話しておくかぁ。
緊急事態に放り出された私の晩ご飯は、
見事な「ちらし寿司」になりはてていた。
「上にぎり」買ってきてたのになあ~。