「このバカ犬がーっ!」
あああああーっ!
バカ犬がーっ!
・・・
疲れたーっ!
うちには、今、警察犬訓練学校に行っている牛のようにデカい犬が、いるのだけど、
そのデカい犬の、足元にも及ばない、
小さいヨークシャーテリアも、いる。
このヨークシャーが・・・
一体全体、賢いんだかバカなんだか!
大きな物音を聞くと、
パニックを起こしてしまい、
もう、右も左もあったもんじゃない、
果てしなく何処かへと走り去って行ってしまう。
今日は、来客が意外に多く、
バタバタとしている間に、
このバカ犬・・・
いつの間にかパニック障害を起こし、
また消えてしまっていたのだった。
仕事が終わって、ほっとしたのもつかの間、
「あれ?犬がいない・・・?」
もう、それから1時間以上・・・
野や山駆け巡るわ、
一番近い集落から、県境を越して隣の集落まで、
走り回って探しまくった。
涙は出てくるし・・・
こんな別れ方ってないよなって思うと、
もっと可愛がってやれば良かったと、後悔の念が込み上げてきた。
バカだったけど、
ジャーマンシェパードと比べられたり、
可哀想なことをしたと、自責の念に駆られたりした。
涙にカスミながらも、
一生懸命探していると・・・
隣の県境を越した漁港に、
ウロウロと、見慣れたヨークシャーがいる・・・。
「このバカ犬がーっ!」
さっきまで、
もうちょっと可愛がってやれば良かったと、思っていたはずなのだが、
思いっきり怒鳴りつけていた。
疲れた~。
もう寝る。