大潮

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2013年10月27日 悲しいほど美しい夕焼空

日記

今日は自治会の秋の草取り日でアロンが一人で参加した。

ゆうべ、椅子で足の中指を打ち、黒く腫れ上がってしまい
わたしは大事をとった。
南に向いたリビングから見える向かいの棟の前では
草取り作業が和気あいあいと始まっている。
秋晴れの空の下でたくさんの人がゆったりと動いている。
遅い朝のごはんをひとりで食べていると、
救急車と消防車のサイレンが集まってくる。
アロンがいつにないあわて様て帰ってきた。
「大変だ、9号棟の前で交通事故!草取り中の人がはねられた。二人も!」

大きな音がしたんだよ、
ベランダから誰か落ちたのじゃないかって思ったぐらいだ
人の叫び声がいつまでも続くから
見に行ったんだ
あんなに遠くだとは思えないほど大きな音だったんだよ。
救急車がなかなか来なくて

要領を得ず、何度も聞き返した。
そうしているうちにも、パトカーが何台もやってくる音が騒がしい。

様子を見に行こうと着替えはじめると
アロンが近くにはいかない方がいい、
血の海になっていたから、見ない方がいい、見ないでね
と、何度もくりかえす

うちは第二自治会グループで
今日は100人近い人が草取りに参加していた。

9号棟と10号棟が並んで建っている
棟の前には駐輪場があり、その向こうは幅5メートルほどの道路があり、
次に駐車場になっている。
この駐車場は団地の住人が使用するものだ。

この駐車場から出ようとしていた車が、団地の外へ通じる道路へと曲がらずに
まっすぐに急発進し、目の前で草取りをしていた方に突っ込んだのだ。
バンパーがはずれ、車の下に一人の方が意識不明のまま倒れこんでいたという。

皆、パニックになっていた。
レッカー車が到着した。
救急車はけが人を運んでいった
ひとりは重症のようだ・・・
と、現場にいた人に聞いた

事故にあった人も、事故を起こした人も住人のはずだ
サイレン以外、大きな音も声もないまま
午後の時間が流れていく。

気持ちが落ち着かないまま、わたしたちはベランダの掃除を始めた。
種をまかないのに芽を出す鉢植えの植物たち。
ルコウソウの種を刈り入れ、ケイトウの花を集め、
洗濯物干しの整備をした。
大きな事故があったというのに、美しい夕焼けが沈んでいく。
悲しいほど美しいサーモンピンク色の夕焼空だった。


追記:
亡くなられた方のご冥福を祈り、
重症の方のご回復をお祈りいたします。