倉知淳「シュークリーム・パニック Wクリーム」
『シュークリーム・パニック』は倉知淳氏の作品集。
「生チョコレート」と「Wクリーム」がありますが、今回は「Wクリーム」の方。
巻頭収録の作品のシュークリームの描写が執拗過ぎるぞ!
…というのは置いといて、気になったのは巻末収録の
「名探偵南郷九条の失策 怪盗ジャスティスからの予告状」
の犯行動機、これがどうも解せない…
※以降、犯人やトリックの本質には触れませんが、ネタバレ的要素が強いので、
これから読むよー!という方はご遠慮ください。
既読の方、または今後読む気は無いゼ!ネタバレ上等!という方は、続きをどうぞ。
さて、物語は…
あるライトノベル作家所持のアニメキャラの描かれた色紙が怪盗に狙われた。
その色紙は、滅多に色紙を描かないというキャラ原案の漫画家の直筆イラストに、
各キャラ(5人)の声優のサインが入った超貴重なもの(ちなみに作家の原作ものではない)。
作家はオークションで200万円落札!ブログでも自慢しまくり!
しかし、警察と探偵による厳重な警戒の目を盗んで、その貴重な色紙にいたずら書きされてしまう。
厳重な警戒の中、犯人はいかに犯行をなしえたのか?
犯人の犯行動機とは?
そして、犯人は一体誰?
…と、まあこんな感じ。
で、犯人はというと、この色紙に描かれたアニメの熱狂的ファン。
にわかファン(犯人談)であるライトノベル作家の手に貴重な色紙があるのが許せない!
おまえごときが神アニメを語るんじゃねーよ!
というのが、犯行動機…
………なんですけどね、この犯行動機がどうも解せない。
そのアニメの熱狂的なファンであればあるほど、心理的抵抗感が大きすぎて
貴重な色紙に落書きなんてできないのでは?
作品中には、ファンは自慢したいから、盗んでも仕方が無い!(意訳)
なんてされていましたが、偏執的なファンなら誰にも自慢できなくても、
こっそりと取り出し、一人でにやにやして眺めているような…(精神的優越感というやつ?)
作品に傷をつけられるのは、その作品にまったく興味がないか、
金銭的価値程度しか持ち合わせていない場合ではないですかね?
まあ、ストーカー殺人のように、自分のものにならないなら、この世の中から消えてしまえ!
ということかもしれませんが…(でも作品からはそんな風に読み取れない…読解力無し?)
犯人は狂人的思考の持ち主ですから…と言われればそれまでですけどね。
個人的には、犯行動機が以下のようだったら納得できたかな。
犯人は、世間的に評価の高い某アニメの熱狂的ファン!
…ではなく、ライトノベル作家の妄想爆発な作品の偏執的ファン。
しかし、その作家は最近某人気アニメに填まり、仕事に支障を来すようになった。
犯人が心待ちにしている
「こんなの現実にあるわけねーだろ!なに都合のいいことばかり妄想していやがる!」
的なライトノベルの続巻がいつまでたっても発行されない。
「オレと大勢の美少女たちの甘々な物語を早く出しやがれ!」
あるいは、犯人が「○○はオレの嫁!」と偏愛しているキャラの性格が、
作家が填まっているアニメのキャラに影響され、別人のようになってしまった。
「ふざけんじゃねー!オレの○○ちゃんが変わってしまったーっ!」
あるいは、作家が傾倒しているアニメのキャラを彷彿とさせる人物が登場し、
犯人ご贔屓の「世間的評価は低いけれど、オレにだけがその良さを理解しているんだゼ!」
的なキャラの登場頻度が極端に少なくなった。
「オレの○○ちゃんをないがしろにするんじゃねぇ!もっと出せ!」
そこで、犯人は、作家の目を覚まさせるために正義の鉄槌!
とばかりに作家が大切にしているそのアニメ色紙をめちゃくちゃに…
(もちろん犯人はそのアニメのファンではない)
なんて、どうですかね?
犯行動機がありきたりで陳腐すぎる?
まあ、色々と書きましたが、この物語の本質はこの点じゃないですけどね。
(ちょっと(?)遊んでみました)
何はともあれ、シュークリームが食べたいな…ってことで。
朔
2013/12/08 22:22:29
石屋製菓の白いロールケーキを買って食べました。
…
…
…
…おや?しゅーくりーむじゃない………
TOM
2013/12/03 00:58:12
ヒロタのフレッシュていうヨーグルト風味のシュークリーム好きだったなぁ・・・
・・・あ、本編に関係ナシ? (^^;;;