トルコには、家が火事になったら、絨毯をまっさきに持ち出せということわざがあるとか・・

トルコの絨毯は時代をさかのぼって、イタリアルネッサンスの肖像画の中に
大切な調度品として多く描かれています。
オスマントルコ、セルジュクトルコといった宮廷の保護のもと、都市の絨毯として発達し　
変化を遂げてきた絨毯。　一方、ユルックと呼ばれる、長い間遊牧民の間で
染めとデザインの両方が　ゆったりとした時間の流れの中で受け継がれてきた、
商業用ではなく、自分達のために織ってきた絨毯があり、
それぞれがお互いの影響を受けて、トルコ独特の模様と色の絨毯を作りあげてきました。
最近は、中国のまがい物が多く、絨毯は古い物ほど価値があると言われます。

２階のオープンスペースに敷くラグを探していたところ、
メダリオン柄が素晴らしいコンヤラディック絨毯　
マルコ・ポーロも絶賛した美しい草木染め絨毯です!
ヘレケのお手本にもなっている見事な絨毯！
当店の絨毯全て手織りの選び抜かれた絨毯です！最高級のトルコ絨毯を最安値で！手に入れて下さい
という見出しが目に飛び込んできました。
でも、５０年前のもの。殆ど使われていないと書かれていても、半信半疑です。
アップを見ると、色使いも豊富な上、本当に綺麗な柄で、表面にもダメージがありません
小型の物だったので、値段もそんなにしませんでした。
リビングに敷いたトルコ絨毯は新品だったのと、大きかったので、この絨毯の
２４倍程しました。知人だったので、半額にしてもらったものの、本当に高価でした。

よ～しと心を決め、１回目入札したところ、値が上がらなかったせいか
出品者がキャンセルしてしまい、がっかりしました。

それから１週間ほど探しても気に入るものが見つからず、
トルコ在住の日本人のブースを、また検索してみました。
すると、３０００円ほど高くなっていましたが、また同じ絨毯がありました。
１度キャンセルされていたので、ちょっと腹立たしかったのですが、もう一度入札し
見事落札できました。

届いた絨毯はウール１００％で、柄が良く、色も沢山使われ綺麗だったのですが、
クリーニング済にも関わらず、羊のような匂いがして、ショックでした。
捨てるには綺麗過ぎるし、お金がもったいないしという事で、使用していない駐車場の
コンクリートの上で、アクロンを使い、せっせと裏も表もまんべなく洗いました。
何度も水をかけ、ブラシで毛の流れを整え、２日半２階のベランダで
天日干しをしました。

すると、どうでしょう！
美しい絨毯が、生き生きと甦り、目が離せないほどの色彩を放ちました。
オープンスペースには勿体ないと、ローラアシュレイのベッドカバーをかけたベッドの
横に置きました。まるで絨毯が語りかけてくるような感じがしました。
草木染の手撚り糸で、丁寧に手織りされた絨毯は、織手の愛情と買い手の愛情が
相まって、大事に大事にされていたのでしょう。
「遠い日本にようこそ！今度は私が大事にするからね」
とお部屋を宝石のように彩った絨毯に、思わずつぶやいたのでしたｗ