ある独身男性がいた。友人の大半は結婚していたのに、彼は次から次へと女をとっかえひっかえしていた。

見かねた友人のひとりが彼に尋ねた。「どうした、完璧な女を求めてるのか？　お前はそんなに女にうるさいのか？　お前と相性の合う女がみつからないのか？」

「いや、」彼は答えた。「いい女にはたくさん会った。でも、両親に会わせようと彼女たちを家に呼んでも、だれもおふくろのお気に召さないんだ。だから探し続けてるんだ」

「じゃあさ、」友人はアドバイスした。「おまえの母ちゃんにそっくりな女をさがしてみたらどうだ？」

それから何週間もたってから、二人は再会した。

「それで、完璧な女はみつかったのか？　お前の母ちゃんそっくりの女は？」

彼は肩をすくめた。「うん、おふくろにそっくりの女はみつけたよ。おふくろは彼女を気に入ってくれたし、ふたりはすごい仲良しになったよ」

「やったじゃん。で・・・、もう、その女とは婚約したの？」

「いや、していない。こんどはオヤジのお気に召さないんだ！」