セカンド

忘れ物

小説/詩

忘れ物を取りに過去へと戻る
遠い遠い過去へと戻る

神様の貸してくれた舟で
時間の河を下って行く

きれいな景色が
川辺を通り過ぎていく

冬の後に秋が来て
秋の次に夏が来る

春の草花が小さくなり
地面へと吸い込まれて行った

そう
私が見たかったのは

この燃える紅葉だ
この輝く強い光だ

この優しい緑だ
そして深々と降る白い雪だ

20回目の白い雪が来た
そこで私は生まれた

雪が暖かく呼吸をしていた
母と父の笑い声が聞こえた

白い息を吐きながら
あふれる涙のなか

私は舟を現世へと
戻した



もちろん
戻るのは20年じゃ不足してますけどね、実際はね

なんか、今
小さいころに見た雪を思い出しました

小さな庭に降り積もる雪を
ガラス越しにみんなで見ていた白い雪を







  • セカンド

    セカンド

    2014/01/08 01:40:11

    いちい様

    そうなんです
    何でもない事をよく覚えている

    小さい時はそれが宝物だったのでしょうか

    たまに心の中にある
    たくさんの引き出しの中の一つが開いてポンと出てくる

    それが何なのか
    楽しみでもあります

    それより
    蕎麦が食べたくなってきました

  • いちい

    いちい

    2014/01/08 01:20:33

    子どもの頃に見た景色って、少し特別な脚色されて記憶されてるように思います。
    私も、冬の窓の氷の模様や、そこから覗いた夜の雪景色や星空、とても印象強く残ってます。
    心の中のとても大切なタカラモノですね。^^