【オトメ座の見つけ方】
  この星座の探し方は、春の大三角形または春の大曲線を使います。スピカを目印にします。ここから歪んだ「Ｙ」の字形に星が並んでいます。比較的簡単に見つかると思いますが、残念ながらオトメ座にはその他に目立つ星があまりありません。

【オトメ座あれこれ】
  プトレマイオス（トレミー）の４８星座の一つで、黄道十二星座に属します。
  オトメ座はウミヘビ座に次いで大きな星座です。
  オトメ座が作られたのは紀元前３２００年頃で、最初は麦の穂の星座でした。それが後にギリシアに入り、その地の神話・伝説と結び付いて女神が麦の穂を持つ姿に変わりました。また、オトメ座は葡萄やワインと関係が深く、学名ｖｉｒｇｏはフランス語のｖｉｎ（ワイン）の語源とされています。これはその昔、この星座が見える頃にワインの製造が行われ、乙女が葡萄を足で踏んで潰していたことに由来するそうです。また、バージンもここから派生したそうです。
  α星スピカとウシカイ座のアルクトゥルスを対にして「夫婦星」とも呼ばれることがあります。
  他に、星より銀河の方が多いのが特徴で、カミノケ座にかけて約２５００個の銀河からなる「乙女座銀河団」があります。
  現在、秋分点はオトメ座にあります。
  ３月頃には「オトメ座流星群」が観測できます。

【オトメ座の神話】
  ギリシア神話によると、農業の女神デーメーテールの一人娘ペルセポネーは、冥界の王ハーデースにさらわれてしまいました。これを知ったデーメーテールは怒りと悲しみのために、天上から姿を消してしまいます。このため地上は暗く寒い日が続き、農作物がまったくできなくなってしまいました（ここは日本の神話によく似ています）。これを見たゼウスは地上の生命が死に絶えることを恐れ、ハーデースの元へ行き、ペルセポネーをデーメーテールに返すように命じました。承諾したハーデースはペルセポネーに１２個のザクロを渡し、帰途につかせました。しかし、これはハーデースの策略でした。そうとは知らないペルセポネーはそのうち３個を食べてしまいました。
  実は、このザクロは婚姻の証（または、冥界の食物を食べた者は冥界から出られない掟がある）でした。そのためペルセポネーは毎年３ヶ月間ハーデースの元で暮らさなくてはならず、その３ヶ月の間は冬になり農作物が取れなくなるのだと言うことです。
  他に、正義の女神アストレイアがオトメ座となったとする説もあります。