恭介

日本妖刀列伝:五

レシピ



前回までの日本妖刀列伝では、そのすさまじい切れ味にスポットを当てて並べてきたが

今回は少し趣を変えて紹介してみようと思う。

今回の刀は『山金造波文蛭巻大太刀』(やまこがねつくりはもんひるまきのおおだち)と言う。

全長:1丈1尺3寸2分(3.4m) 刃渡り:7尺1寸2分(2.2m) 重量は驚きの22.5kg!

日本一の大太刀である。 

無銘で、室町時代頃の作といわれるこの刀は

その伝承から『祢々切丸』と呼ばれている。



いつの頃からそこにあったのかは定かではない。

現在の栃木県日光市にある二荒山神社、そこにこの刀は祭られていた。

ある時、日光のとある山に巨大な虫の妖怪が現れた。

その虫は「ネーネー」と鳴くため「祢々」と呼ばれた。

この祢々、時折山から下りてきて、田畑を荒らし、時には人を襲うこともあり

周囲の人々を大層困らせていた。



ある月の無い晩

いつものように我が物顔で田畑を荒らす祢々。

けれどこの夜は、いつもと違っていた。

拝殿にあったこの刀が自然に鞘から抜け、空を舞い祢々に斬りかかった。

「ギャア」

驚き戸惑う祢々を、刀は執拗に斬り付けた。

この攻撃にさしものの妖怪も手傷を負わされ、逃走を計った。

けれど刀は、そんな祢々を追い回した。

大谷川を渡り、向かいの沢を駆け上り、

二荒山神社の前まで追いつめた上で刀は祢々を斬り捨てた。

声も無く絶命した妖怪祢々。

その亡骸は、翌朝住職に体に刺さった刀とともに発見されたのです。


この事件の後、

祢々が住み着いた山は「鳴虫山」と呼ばれ

逃げまわった大谷川の対面の沢を 「ねねが沢」と呼ぶようになった。

刀は 『祢々切丸』と呼ばれ二荒山神社にその後も奉納されている。



いや~数ある逸話の中でもかなりぶっ飛んだ話ですよね。

意思を持つ刀なのでしょうか? 

まさに妖刀、いや神刀と言うべきか・・・。

この刀は現存しております。

人が振っても大変そうなこの刀。

重さ22・5kgの物体が自在に宙を舞い

敵を切りつける姿、いちどお目にかかりたいものです。

今回のお話はいかがだったでしょうか

また次回、お目にかかりましょう~





日本妖刀列伝:五 『祢々切丸』  

  • 恭介

    恭介

    2014/08/10 01:15:16

    Re;みん♪さん

    祢々切丸はある意味、意思を持った刀ですよね。

    切れ味がすごいのとは、また別の凄さがあって凄く興味深いです。

  • みん♪

    みん♪

    2014/07/20 19:56:58

    凄い刀ですね@@
    いろんなお話があるものなんですね^^