夜這いについて調べてみると、以下のように記されていた。

【夜這い】〔「呼ばふ」の連用形から〕
男が求婚をし、女の許(もと)に通うこと。元来、男が女の所に通う婚姻形式が一般であったが、のち嫁入り婚が支配的になると次第に不道徳なものと考えられるようになり、「夜這い」などと解されるようになった。
「くはし女(め)をありと聞こしてさ―にあり立たし―にあり通はせ/古事記（上）」

何件か夜這いについての論文を読んだことがあったが、それらは大真面目に研究されていた。
今の時代ではさすがにほとんどなくなったようであるが、第二次世界大戦前まで（一部では戦後しばらくまで）農村地帯を中心にして行われていた風習だそうである。
また、夜這いの習俗が消滅したのは資本主義経済の普遍化によって従来からのムラ的な共同体のシステムが崩壊した結果だということだそうである。つまり、夜這いをはじめとするムラの性習俗は、日本に近代化をもたらしたヨーロッパ文化の両輪（キリスト教的道徳観と資本主義経済）によって不可逆的な変化をこうむったとされているらしい。

ところで、学生時代のことであるが、友人の夜這いに付き合ったことがあった。大げさな言い方であるが、車で送っていったのである。車を止めて友人を降ろした後、ちょっとだけ様子を見ていた。道路に面した部屋の窓を開けて忍び込んだ後、こちらに向かってＶサインを見せ、窓は閉じられた。小生はその後まで付き合う気はなかったので、さっさと帰ってきた。しかし、友人の彼女はご家族と同居だったので、どのようにして部屋から抜け出したのかが非常に気になるところではあった。