こはる

ささやき

小説/詩

春に鳴くうぐいすは
梅の枝に まかせよう

夏に咲く朝顔は
竹の竿に まかせよう

月の宿るは
松にまかせよう

しとしとと肩をぬらす 春雨は
柳の枝にまかせよう

名もない鳥も 花も 木も
風も 雲も 空も

それぞれに 
青くして
若々しく輝いている
喝采のない舞台で
無限に ひたすらに輝いている

心を落ち着かせて
そっと
耳を傾けてみる
みんなの歌声が ささやきが
聞えてくるようだ