こはる

鏡のむこう

小説/詩

木枯らしが吹いて
外は
枯れ葉が
うずを巻いている

人は肩をすくめて
足早に
家路を急ぐ

わたしは
部屋で一人
鏡に映る自分の顔をみている

鏡の向こうでは
誰かが
泣いている
こぼす涙は枯れて
頬には
ひとすじの
涙の跡がひかっている

そっと
肩をだいてあげたい
でも 手は届かない
鏡の中のふるえている肩に
手は届かない…

せめて
木枯らしの風が当たらないようにと
願うだけ…

  • haru

    haru

    2014/09/10 21:16:04

    こはるさんの詩集がほしいよお

  • リルル・ガランド

    リルル・ガランド

    2014/09/09 23:34:45

    とてもよく描写できています。すごいです。

    感銘を受けました。

    おかげでよい詩が浮かびました。

    ありがとうございます。こはるさん。