✪マークは作り話でし

ブラボー

✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし

三丁目の本屋

30代以上

目の前には黒板色の扉、それはまるで魔の森の入口。
私は思う、RPGゲームの始まりのようなワクワク感。
扉は軽く、そう綿のように軽く開く。
すぐそばにはカウンター、
その店の店主らしき人が不愛想に「らっしゃぃ」。
その声は、地獄の門番か魔界の案内人かと思うほどだ。
かすかに聞こえるBGMはどこぞの国の雑踏の音、
いやいやこれは森の音・・・海の上・・宇宙空間なのか不思議な音だ。
壁を覆いこむ本棚と足元に積まれた本の束、
これは売り物なのかと戸惑う私。
その中央にはゆったりとしたソファが置かれ、
書物の混じって並ぶ雑貨や古道具。
一瞬、雑然として思える店内だが目が慣れてくると、
ひとつひとつが意味のあるように思えてくるから不思議だ。
梶井基次郎を連想させる、本の上のレモン。
レモンか・・・毎日交換してるのかな、そんなことはどうでもいい。
私は本を手に取りソファに腰を下ろす、時間の流れは止まった。
目が疲れたので何気に天を仰いだ、
店主が描いた天井の絵が優しく目の疲れをいやしてくれる。
ジャングルだった私の脳内は整理され、
大草原のようになったところで一冊の本を買って店を出た。
街は夕暮れ、風が強く吹いていた。


  • うらん♥

    うらん♥

    2014/10/04 23:04:31


    安心できるソファー
    その、ひとつがあれば・・・・


    世界は広がる!! そう今は願いたい。

  • 恵

    2014/10/04 22:15:08

    いや~なんとも不思議な本屋さんですね~
    興味をそそられますね。一度行ってみたいです三丁目の本屋さん。

  • 饗

    2014/10/04 22:10:19

    ソファのある本屋さんてステキ♪

  • KEI

    KEI

    2014/10/04 20:17:49

    どんな本を買ったのですか?(*"ー"*)

  • ☆ゆん☆

    ☆ゆん☆

    2014/10/04 20:09:51

    なにやら幻想的な世界を
    思い浮かべました^^

  • 風子

    風子

    2014/10/04 19:53:12

    いいですね~三丁目の本屋さん^^
    雑然とした中にある規律。
    いいなぁ・・・

    レモンもいい^^

    どこにあるのですか~?
    行ってみたい。
    ブラボーさんの心の中にあるのかな*^^*