こはる

お父さんの帽子

小説/詩


ぶかぶかの帽子
かぶってみた
お父さんのにおいがした

大きな大きな背中
お父さんの
大きな背中

お父さんは
ひょいと私をかついで
肩車をしてくれた

秋の青く澄んだ大きな空
イチョウの葉は 黄金色に染まり
私は手を 大きく空に 広げてみた

持っていた風船は 大空にふわっと 飛んだ
赤 黄色 青
ふわふわ 飛んでいった
気持ちよさそうに 秋の風に乗って
飛んでいった

背中をすべって
着地したら
お父さんは笑っていた
「寒いから そのまま 帽子をかぶってお行き」
と言うので
すっぽり 目も隠れるくらい大きな帽子を
かぶって歩いた
お父さんの においがした

とても 暖かかった


#日記広場:小説/詩

  • ひとみ

    ひとみ

    2014/10/31 05:34:28

    お父さんお母さんがいるときっていいですよねー、無償の愛ですよねー私は両親はもういないから寂しいです^^生きているうちに、いっぱい親孝行してくださいねー

  • 夏夕空

    夏夕空

    2014/10/19 15:07:20

    だんだん冬が姿を現しはじめてきていますね
    今朝も寒くてしかなかったです><

    心が温まる詩をありがとうございます^^