一生で一番大きな買い物と言われるマイホーム、
真面目に働くサラリーマンが、
日頃せっせと貯金して、
頭金を貯められたら、35年ローンで返済計画を立ててご購入。

この高額商品こそ、
社会的公平性というか、
誰でもが、公平な審査を受けて、
ズルなしで買いたいと願うものでしょう
・・・が、甘い！

ズルする人は、どこにでもいます。
なんとも釈然としない話しですが、
こんなズルする人しか、
得をしないようにできている世の中なんでしょうか。

A田さん、とても気に入った物件を見つけました。
中古のマンションですが、値段も相場より安く2480万円、
お買い得だと喜びました。
売主さんと交渉したところ、まださらに100万円近く値引きしてくれました。
2380万円、頭金を380万円入れて、
残金2000万円をローンで借りたいと、審査申し込みを入れました。
何がダメだったんでしょうか、
残念ながら、審査落ち、涙をのんで諦めました。

次に「購入希望」を申し込んできたB野さんは、
なんと、現在の住まいが抵当に入っていて、
競売にかけられそうなところを、ぎりぎりに任意売却する算段、
自分の名義じゃ、銀行からお金を引っ張れるわけもない、
兄弟の名義ででも、とりあえず住む家を探さないと路頭に迷う。
頭金どころか、諸経費を払うお金すらありません。
この2480万円の物件を、値引きなしで言い値で買うといいます。
いや、正確にはもっと高値3000万円で買うというのです。

どういうカラクリだと思います？

銀行はたいてい頭金として、物件総額の2割は自己資金と言います。
そう、
3000万の物件なら600万、ざっと言って500万は頭金というとこですが、
2500万のローンは、あっさり着くんですね、これが。
で、2500万借りてチョチョッと経費を払えば、
頭金なしでも、また持家に住めるのですね。
ひどい話です。

売主にしてみても、
100万値引きして売るより、
言い値で買い取ってくれるなら、
銀行の書類くらい，ちょいちょいのチョイですな。

真面目に貯金して、年収が低ければアウト、
かたや、名義貸しの兄弟が高収入なら、
破産している人でも、また家が持てる。
なんだか、モヤモヤ感が残りますね。

嘘をついたり、
法の目をかいくぐったりする人だけが、
うまいことやっていけるんでしょうか。
そんなもんなんでしょうか。

ま。
ここでお知り合いになれた皆様にだけ、
「いつかどこかで役に立つかも」講座、
このマンションね、構造的欠陥があって、
おそらくあと数年で大規模改修が必要になります。
それが分かっているので、売主は100万下げてでも、
早く手放したかったのです。
それを言い値で買ってくれるなんて、なんてラッキー。
最初に審査落ちした真面目なサラリーマンさん、
こんなひどい物件に手を出さなくてよかったですよ。

自己破産していようが、
よその名義であろうが、
賃貸に住んで損するよりも、
自己資産が増えたとお思いでしたかズルした人、
大規模改修費、どっかーんと支払わなきゃならなくなりますよん。
それに、そんな改修やったら、あとあとろくな転売できませんぜ。

世の中、不公平なんでしょうか、
それとも「天網恢恢疎にして漏らさず」なんでしょうか。