Mary Mallonの館

この人は私がいないとダメになってしまう【共依存

家庭

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しかしその前に、もっと基本的で重要なことを指摘しなければなりません。
それは、あなたが「依存症の患者の妻」の典型であるということです。やや極端な言い方をすれば、あなたのご主人が今のような状態になっていることの原因のかなりの部分はあなたにもあるということです。アルコール依存症の家族カウンセリングルームにあるイネイブラーの、あなたは典型例であると言うこともできます。たとえば、

私が出て行ったことが原因で薬に走らせてしまった。。
そう思いました。


これは一見するとあなたの献身的な姿勢を示しているようですが、残念ながらそうは言えません。覚醒剤に走ったのは本人の責任であって、あなたが出て行った こととは無関係です。このように、本人が解決すべき問題を引き受けてしまうことが、依存症の患者の妻のひとつの典型で、それがこの【1155】の質問者だ といえます。

かなりお酒を飲んでいたので道路で寝転がって関係ない車の人に絡んで行き警察のお世話にもなりました。
お前が俺のそばにいないからこうなってしまう
そう言われて私は仕事をやめ彼の元へ行きました。


これも同様の例です。あなたがそばにいようといまいと、そんなことは関係ありません。本人の責任です。

もうお酒はやめる そういっても3日後には買ってしまいます。
自分は覚せい剤をやっていたから鬱になってるんだ
お酒でも飲まなければやってられない
そう言っています。


これも全く同様です。説明は省きます。

振り返ってみると、

主人とは15年前に一度1年ぐらい同棲していて別れました。
原因は暴力と束縛です。私が家を飛び出した形でした。
去年私の職場に突然電話があり、それからまた付き合いがはじまるようになりました


この始まりの形が、すでに今の状態を暗示していたともいえるでしょう。あなたは暴力と束縛に耐えられなくなりながらも、また自らその生活を望み、それを再開している。客観的にはそのようにしか見えません。

「この人は私がいないとダメになってしまう」あなたはそうお考えかもしれません。その考え自体が、依存症の患者の妻に典型的なものです。ご主人のことを心 から心配しているようで(実際、心から心配されていること自体に疑いはありませんが)、実はそうやって心配することで自分が満足している。自分がご主人の ために必要であることに満足している。そのように解釈できるケースも非常に多いものです。その場合、この関係を共依存と呼ぶこともあります。
 その結果が、依存症の改善につながればもちろんそれもいいでしょう。しかし、依存症患者が自分で負うべき責任を妻が負うことは、その度に依存症の改善の 機会を奪い、どんどん病気を悪化させていることに他なりません。この【1155】はその典型、つまり妻が夫の病気を悪化させているとみます。(このように 書くと、【1155】の質問者は、結局は自分に責任があったのだとお思いになるかもしれません。それがまたイネイブラーに特徴的な反応です。覚醒剤にして もアルコールにしても、責任の大部分は本人にあるのであって、周囲の人がそれを引き受けることは、かえって依存症を悪化させるだけです)

 以上のことを心にお留めになることが、【1155】の質問者には最も大切だと思います。それに比べれば、「どのように受診させるか」という方法は瑣末な ことにすぎません。どのように受診させたとしても、妻がイネイブラーであり続ける限り、治療効果は期待できません。


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