王ちゃん

国が自立するための苦難(選挙を前にして)

日記

  東支那海や南支那海での中国の強引な振る舞い。日本海の竹島での韓国の強硬な振る舞い。クルミア半島、ウクライナでのロシアの強硬な振る舞い。日本を取り巻く国々は、米国も含めてさながら戦国時代のようなパワーゲームを展開している。
   日本は今まで米国の僕として振る舞うことを安全保障政策の根幹として、サンフランシスコ講和条約締結後の六十余年を過ごしてきた。周りの国からの、当方からすれば理不尽な誹謗中傷や経済的要求に、ひたすら低姿勢に粘り強く対応し、力で迫ってこられた時は、米国のお出ましを得てなんとか切り抜けて、米国の要望には最大限の対応を示して、平和を享受してきた。この平和は、沖縄県を主とした米軍基地提供自治体に対し、その生活上の危険・不快度に対する金銭的対価を提供する形でなだめすかして、かろうじて維持してきたとも言える。
   米国が財政上の問題から軍事費を縮小させていく中で、アジアの平和のために日本の資金負担を希望し、それに応える方向で日本が準備を進めている。そうした流れの昨今、微妙な心理的動揺の波が、米国にも日本にも立ちはじめている。
   米国内の一定の政治勢力は、日本人をして民族の非人道的恥辱(それは事実の裏付けを必要としない諸々の出来事で良かった)に対し、永遠に懺悔し誇りえない民族として自覚させる心理作戦を継続しようとして来たが、重要な協力者の記事が誤報と認めざるを得ない事態が発生し、従来のようには、日本の主要メディアに対する影響力が大胆に行使出来なくなって来ている。そんな中で、米国の政治的意思を暗示するために、協力者を擁護する論調を米国メディアに表明させつつも、その記事の中で事実の裏付けがない事を認める歯がゆさを露わにしている。
    一方日本においては、事実のないところに罪深き犯罪があったと報道し、これをもって三十年の長きに亘って首尾よく、多くの日本人をして罪深き国家の民と洗脳して来たメディアが、誤報でしたと懺悔したのだから、その反作用としての、民族の誇りの僅かばかりの回復が見られ、勢いに乗って、チャンドラ・ボース(インド独立戦争を指揮し、日本軍とインパール作戦を戦った人物)の親族の来日があり、長くタブーであった大東亜共栄の大義が少しばかり思い出されたかもしれない現象が出てきている。米国の一定の政治的意思と、日本人の誇りの回復による事実に基づかない歴史を修正して行こうとする動きの衝突の先に、我々は一定の覚悟をもって対処しなければない。これは日本が国として自立するための苦難でなくて何であろう。
   沖縄から米軍基地を一掃する交渉を始めることは、歴史修正志向の日本が米国と中国から挟み撃ちになる最悪のシナリオが想定しうることを覚悟しなければならない。これもまた避けなければならない苦難である。安倍首相の地球を俯瞰した外交の、慎重な遂行を願うのみである。